Attention!
いつもより脳内妄想分高めでお送りします。塩分過多ならぬ妄想分過多で死ぬんじゃなかろか。


 あるカードについて、スポイラーを見ただけで実際にデッキを作ることなく、「これは強いだろう」という正しい認識を持つために(人はそれを横着と言う)、何らかの判断基準が必要だ。

 もちろん「挙動を脳内で想像する」というのも幾分か有効ではあるのだが、モーニングタイドやシャドウムーアのいくつかのカードで痛い思いをした経験を踏まえ、もう少し確実な「カードを見る目」を養いたい、と思った次第である。とかいってこんな後づけの前フリに意味があるわけでもなく、まぁただの気紛れなんだけれども。しかし、もう少しだけ付き合って欲しい。

 さて、一口にカードの強さを見極めるといっても、それがクリーチャーかそれ以外か、インスタントかソーサリーか、種族は何か、システムかそうでないか、といった風にカードタイプごとに異なる基準があるはずである。今回はローウィンブロック構築環境を中心に考察し、ゆくゆくはスタンダードにおいても通用する可能性がある、イーブンタイドのクリーチャーを選別することにする。

 そこで、あるクリーチャーがローウィンブロック構築環境で実用的であるかないか、どのようにして知れるだろう?

 ここで、ローウィンのブロック構築環境はかなりのクリーチャー環境で、たとえば神河ブロック構築におけるヤソコンや、オンスロートにおけるサイクリングというような、パーミッションやスペル重視の対生物コントロールがほとんど存在しないことに着目する。実用レベルの《神の怒り/Wrath of God(10E)》は《質素な命令/Austere Command(LRW)》くらいで、一応《炎渦竜巻/Firespout(SHM)》もあるけれど、《苦花/Bitterblossom(MOR)》が存在する関係上、生物をスペルだけで捌ききるのは不可能に近い。そこでコントロール側もアドバンテージの取れる優秀な生物を使い、単体除去のサポートで耐えしのぎ、ビートダウンがピークを過ぎた後はフィニッシャーと呼ばれる数枚を「引かなくても」それらのクリーチャーが殴りに転じてダメージレースをコントロールすることで速やかに決着をつけることができるようになっている。つまり生物を処理するのは原則的に同じ生物か、あるいは単体除去であると言える。

 このように、クリーチャーが強くそれに比例するように除去も強い環境において、システムを除いたクリーチャーの耐久性を決めるのは対生物対除去の2つの視点である。

 わかりやすいのは対除去の方で、そのクリーチャーがどの程度除去によって排除しやすいかを基準とするわけだけれども、シャドウムーアまでのこの環境において主に活躍する3マナ以下の除去を2つのラインに分類すると、

 ライン1:
《叫び大口/Shriekmaw(LRW)》
《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》
《つっかかり/Lash Out(LRW)》

 ライン2:
《外身の交換/Crib Swap(LRW)》
《炎渦竜巻/Firespout(SHM)》
《今わの際/Last Breath(SHM)》

 ライン1はライン2より少しだけ使用頻度が高いと考えてもらいたい。さて、ライン1のカードに除去されないと2点プラス、ライン2のカードに除去されないと1点プラス、合計9点満点で生物の耐久度を測るという思考実験をする時、タフネス4、黒生物、プロテクションといった基準を満たすと合格点を取りやすいことがわかる。もちろん《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus(MOR)》のように除去スペルに対してマナ域が重くなればなるほど合格して当然ということになるが、《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower(LRW)》や《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger(SHM)》などはこの基準でかなり上位に入るだろう。《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》も容易にこのテストをパスする。《苦花/Bitterblossom(MOR)》は特殊だがテストをパスするのは明らかだろう。《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart(LRW)》は一見ダメなようにも見えるが、1マナ域がこれらの除去を撃たせると得をすることが多いし、後述する種族シナジーという複雑な観点も絡んでいる。いずれにせよこのテストのみで判断するべきではないだろう。

 対生物性能としては、そのクリーチャーが生物のみによってどの程度排除しやすいかということになろうか、こちらでは《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain(LRW)》のように除去テストでは不合格になりそうなものでも上位にランクインする。種族シナジーという付加価値があるにせよ、先制攻撃と絆魂はそれだけでコンバットを容易にする。このテストでも《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower(LRW)》は最上位に位置するし(3マナ5/5!)、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》についても言わずもがなだが、《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger(SHM)》などはブロック時に無条件で戦闘から排除されてしまうのでやや点数が落ちると考えられる。《苦花/Bitterblossom(MOR)》も単体ではあまり生物性能が高くない。

 種族シナジーはこの環境特有の観点だが、要するに我々はクリーチャーの強さを判断する時にそのクリーチャー・タイプに注意して点数を上げ下げすれば良いということだ。「キスキン」「エレメンタル」いい感じだね。「ツリーフォーク」「エルフ」そう悪くない。「ハッグ」「ノッグル」まぁ無視していい。「シャーマン」「戦士」・・・なんて素敵なんだろう!

◎そろそろ具体的に検討してみるとしよう。このカードは合格点を取れるだろうか?


Figure of Destiny / 運命の大立者 (赤/白)
クリーチャー ― キスキン (レア)
(赤/白):〜は2/2のキスキン・スピリットになる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白):〜がスピリットである場合、それは4/4のキスキン・スピリット・戦士になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白):〜が戦士である場合、それは8/8の飛行と先制攻撃を持つキスキン・スピリット・戦士・アバターになる。
1/1


 対生物性能については、このカードを生物で排除するのが難しいことは明らかで、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》で止まらない4/4というサイズへの変貌・・・マナはかかるけれど・・・ということは、3マナ構えているだけで実質的にブロックができない。また、このカードはデザイン上《雲打ち/Cloudthresher(LRW)》をかなり意識している。すなわち、雲打ちの出てくる頃にはでも落とせないアバターへと変身するからだ!

 対除去性能でも、このカードはまずまずの評価を得る。一度2/2となってしまえば、あとは相手にマナのない時に4/4へと変身してしまうことで除去テストの大半はクリアできてしまう。2/2のうちに除去るなら1マナ域に使わせたとまでは言えないにしてもテンポで損はしないだろう、つまりどう転んでも得(ただし例外はある)という風にできているのだ!

 種族シナジーもキスキンということでまずは通過と言えるだろう。

 よって運命の大立者を今後構築環境で目にする可能性は高いと言える。あ、もちろん責任は取らないよ。

◎では次に、このカードはどうだろうか。


Stigma Lasher / 反転の殴打者 (赤)(赤)
クリーチャー ― エレメンタル シャーマン (レア)
萎縮
〜がいずれかのプレイヤーにダメージを与えられるたび、そのプレイヤーは残りのゲームの間ライフを得られない。
2/2


 対生物性能としては一見2/2というサイズは不十分に見えるけれども、萎縮というのはかなりポイントが高い。《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》相手にも一歩も退かず、キスキンに《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》でシャクらせないし、《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus(MOR)》もなんだかかわいそうだ。

 対除去はお粗末もいいところだが、種族シナジーを見ると何といってもエレメンタル・シャーマンはトップレベルであると言える。ダブルシンボルがネックとはいっても、こちらもブロック構築レベルなら十分可能性があるだろう。言うまでもないが責任は取らない。

◎さて、次はどうだろう。


 Wake Thrasher / 航跡の打破者 (2)(青)
クリーチャー ― マーフォーク (レア)
あなたがコントロールするパーマネントがアンタップ状態になるたび、〜はターン終了時まで +1/+1 の修整を受ける。
1/1


 一見して3マナ5/5以上、中盤以降は10/10まで・・・!?といった夢も見れるカードだが。

 除去基準としては最低レベル、3マナ2/2以外の何物でもなく、生物基準では《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger(SHM)》の時と同じことが言える。種族シナジーはマーフォークということで多少は加点されるだろうが、冷静に考えてトランプルが消えてちょっと派手な《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan(SHM)》レベルなのではないか。しつこいけど責任は取らないからね。

◎お次はこいつだ。


Ashling, the Extinguisher / 鎮める者、アシュリング (2)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー ― エレメンタル シャーマン (レア)
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。そのプレイヤーはそのクリーチャーを生け贄に捧げる。
4/4


 ちょっと重いが除去テスト・生物テストともにクリアするし、種族は最強のエレメンタル・シャーマンである。伝説であることを考慮しても、サイドボードカードとしては悪くないのではないか。《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus(MOR)》がいるうちはメインボードは苦しいけれども・・・念のため、責任は取らないと言っておく。

◎ここまで書いて「一体俺は何をしているんだろう」と悟りを開きかけたので投げっぱなしで終わります。うん、実際カード使わずに強さがわかったら苦労しないよね。

 というわけで以下投げっぱなしタイムに突入。

 『Affinity-Elf』
4《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4《遺産のドルイド/Heritage Druid(MOR)》
4《茨森の模範/Bramblewood Paragon(MOR)》
4《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher(LRW)》
4《傲慢な完全者/Imperious Perfect(LRW)》
4《エルフの先触れ/Elvish Harbinger(LRW)》
4《三人組の狩り/Hunting Triad(MOR)》
1《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus(MOR)》
1《レンの地の群れ使い/Wren’s Run Packmaster(LRW)》
3《憤怒焚きの巨人/Furystoke Giant(SHM)》
4《つっかかり/Lash Out(LRW)》
7《森/Forest(SHM)》
3《山/Mountain(SHM)》
4《鮮烈な林/Vivid Grove(LRW)》
2《反射池/Reflecting Pool(SHM)》
4《火の灯る茂み/Fire-Lit Thicket(SHM)》
3《変わり谷/Mutavault(MOR)》

Nettle Sentinel / イラクサの歩哨 (緑)
クリーチャー ― エルフ 戦士 (コモン)
〜はそのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたが緑の呪文をプレイするたび、あなたは〜をアンタップしてもよい。
2/2


 1マナ2/2、2マナ4/3を得て親和エルフが大幅に強化・・・されたのか?と思いきや4/3エルフ入れたら《魔力変/Manamorphose(SHM)》とか《たなびく緑青/Viridescent Wisps(SHM)》入って使い物にならなくなったのでおとなしく《憤怒焚きの巨人/Furystoke Giant(SHM)》はせめて入れようぜプラン。そして1マナ2/2とのシナジーが(ry

 あー投げた投げた。無責任バンザイ。

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 Today’s tune

 初音ミク「メービウス」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3610686

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