世界選手権2011~その4~
2011年11月20日 音楽 コメント (3)もはやトップ8への望みは断たれた。
ならば圧倒的に全勝し、存在の証明とするのみ。
『神様へのブラフ』で練り上げた最強のジャンドとともに。
3日目モダン6回戦、6-0まで駆け抜ける!!
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第十三回戦 VS Nikola, Fercek(青黒コントロール)
一戦目 先手ダブマリで除去ハンドキープしたら相手がコントロール。普通に《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》連打されて負け。
二戦目 ハンデス→《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》スタートで接戦になるが、4マナ目でGG出てなくて《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》出せなくてそのテンポ分で負け。
××
第十四回戦 VS David Shiels(青赤フェアリー)
一戦目 《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》で抜かれたけど2枚目引けて勝ち。
二戦目 手札見たら双子あったけど除去1枚しか引けてなくて早々に《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》コンボ決められて負け。
三戦目 ハンデスと除去で危なげなく勝ち。
○×○
第十五回戦 VS Matteo, Rusconi(Punishing Zoo)
一戦目 罰する火コンボが揃ってるが《朽ちゆくヒル/Putrid Leech(ARB)》が無双してライフを削り、相手の微妙なミスなどもありつつ、3までライフを削ることに成功して《稲妻/Lightning Bolt(M11)》トップして勝ち。
二戦目 あまり負ける要素がなくて勝ち。
○○
第十六回戦 VS Matthew, Costa(Domain Zoo)
一戦目 普通に捌いて勝ち。
二戦目 《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》対消滅した後、甘えたプレイでライフ3まで押し込まれるが、2ドローで火力引かれずに勝ち。
○○
第十七回戦 VS Masahiko, Morita(双子)
一戦目 先手ワンマリ、デッキ知らなくて除去キープしたら双子で、しかも《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》コンボが揃ってる。でクロック引かないまま8マナくらいまで伸びて投了。
二戦目 ハンデス→クロック連打で勝ち。
三戦目 ハンデスキープで相手の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を抜き、《呪文滑り/Spellskite(NPH)》は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》で対処。後は《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》コンボへの対処だけだが、都合よく《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を引いたので殴り始める。5/6タルモに対し相手が3発撃てるようになる直前で《原基の印章/Seal of Primordium(PLC)》を引き込み、除去れなくなって勝ち。
×○○
第十八回戦 VS Noah, Swartz(青赤フェアリー)
スタンディング確認したらお互い33点のオポ低めで52位~4位とか。ガチる気でいたけど相手がお金欲しいしIDしたい(負けると最悪賞金圏外)って言ってきたのでチキッてIDしといた。フィラデルフィアの最終戦とほぼ同じ状況だったしね。まあ今回はトップ50入っても特にいいことないんだけど。でも俺にとってトップ8入れなかった時点で賞金もらえるラインならどこでもあまり変わりはなかった(ちなみにフリーでやったら2-1で勝ち)。
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そんなわけで最終日は4-1-1で最終成績11-6-1の47位でフィニッシュ。
フィラデルフィアに引き続いてのトップ50で最低ラインは確保してるし、モダンについてだけならデッキをシェアしたもんじも5-1して36位入賞と文句のつけようがないんだけど、『神様へのブラフ』が調整にかけた労力からすると全体としては正直不満の残る成績だった。
今年は日本選手権、PT名古屋、PTフィラデルフィア、世界選手権と活動してきた(PTパリとGP神戸とGP広島はほとんど動いてなかった)けど、イカ彦トップ8、イカ彦トップ50、俺トップ50、俺トップ50と、『神様へのブラフ』は一応安定した成績をプロデュースできている。
らっしゅに言わせれば「プレイヤーレベルに比べれば大成功」の業績。もとより俺やイカ彦は別段上手いプレイヤーではない。
それだけに、もう一段上のステップを目指したかった。
プレイヤーレベルのあまり変わらない3人による、掲示板での討議形式。
Channelや、かつてのトモハルの『Sexy Lobster』のような大規模なチームではなく、かといってヤソやナベのような強すぎる個人で完結するものでもなく。最小限のクラスタで最大の効率を得るこの実験的試みは、調整方法としてなかなか優れたものだったように思える。
あるいは、誰もが思いつくであろう中二的な『打倒Channelコミュ結成』という夢想が、属人的な要因によって奇跡的に機能しただけかもしれないが。
とにかく今後も我々『神様へのブラフ』は、メンバーの誰かにプロツアー参加権があるときには、可能な限り互いにバックアップしていくつもりだ。それこそがプロツアーというフォーマットにおける『最強戦略』だと信じているからだ。
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しかし残念ながら今回のワールドで明らかになったように、もはやChannelが「飽きた」といってチームを解散させない限り、プロレベルの大会においてChannel以上の勝利期待値を得ることは不可能だろう。
それはなぜなら、この現状に対するらっしゅの言葉を借りれば、「もはやメタゲームを作っているのは彼らだ」からだ。
個々人のポテンシャルですら世界最高レベルのプレーヤーたちを10人も20人も集めて独占すれば、こうなるのはむしろ必然だったかもしれない。
だがチームの期待値で負けても、個人としての勝利はまた別だということを、今回イヤナガが証明してくれた。
イヤナガもライザと組んであのケッシグとエスパーコンを生み出し、見事Channel勢を打ち破って見せたのである。
「日本勢はなぜ勝てなかったのか。」から1年。
おそらくあれは、混合フォーマットによるプレイヤーの負担の増加と、MOの普及によるメタゲームへの影響力の飛躍的増大、またChannelがプロをスカウトしていきメタゲームを支配するようになるなど、様々な要因によってより精度の高い調整が求められるようになったプロツアーで、日本のプロたちが各自で納得のいく新たな調整方法を獲得するための過渡期だった。
だから今でも、問題は根本的には解決していない。人一倍時間をかけるか、コミュニティを利用するか、いずれにせよそれぞれが効率的な練習方法を確立できない限り、プロツアーで勝ちあがることは難しいだろう。
アムステルダムのとき、晴れる屋でトモハル主導の練習会が何度もあったのに、それが結果に結びつかなかったのは、それぞれの最適な練習方法とズレていた、ということなのだと思う。
十分な練習をすれば俺やイカ彦のような凡百のプレーヤーでもある程度の結果を残せることは証明されている。
あとは自分自身が限られた時間で効率よく練習するにはどうすればいいかを知る、平たくいえば、成長できるかにかかっている。
来年も日本人の活躍が見られるかどうかは、つまるところそれ次第だろう。
4日目、決勝戦のカバレッジを書きながら。
俺はそんなことを考えていた。
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来年からプロツアーはクローズドイベントになり。
ほとんどのプレイヤーにとって世界選手権に参加する機会も実質消失した。
この変化が良い方向へつながるのか、そしてこれからプロマジックがどうなっていくのかはわからない。
それでも、『Play the Game, See the World』を標榜したWizardsが、どことも知れない場所に世界中の人が集まって突然現出する世界統一国家(仮)のあの喧騒を、知らない外国人と英語で話しつつ時に真剣にそれでいて楽しくゲームする機会を、あのどうしようもなく焦がれたフィーチャーテーブルを。
我々がこのカードゲームに見た夢を、打ち壊してしまうような事態にだけはならないで欲しいと、今はそう願うのみである。
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コメント
後、世界選手権お疲れ。
そういっていただけるとありがたいです。
>D
結構歩き回ったけど、今回会場とホテル周りに中華っぽい店見当たらなかったんだよね・・・見るからに地雷なSushi Barばっかでさ。フィラデルフィアでは中華祭りだったのに。