キスキン最強の型、銀弾キスキン。

 この真理に辿りついた俺は、しかしまだ満足したわけではなかった。

 銀弾キスキンは最強の「型」に過ぎない・・・すなわち、1枚1枚のカードが「これしかない」という至高の60枚には未だ到達していないのだ。

 もちろんデッキの構成はメタによって変動するものだし、厳密な意味で最終形たる60枚を見出すのは不可能とも言える。

 だが、型はもうできている。

 あとはパーツを選ぶだけ。言うなればまな板の上の鯉。

 最強のキスキンの完成・・・その山の頂が今、見えてきた。



 さて、今更銀弾キスキンという型について語ることはもうない。俺と読者諸君との間には、既に一つの了解があるのだ。すなわち、『(キスキン∧銀弾)⇒最強』である。ここはもはや、通過している。

 それでは早速だが、今回のデッキレシピをお目にかけよう。

 『The Standard Perfect Kithkin』
4《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart(LRW)》
4《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》
4《主の戦術家/Cenn’s Tactician(MOR)》
2《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》
4《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain(LRW)》
4《皺だらけの主/Wizened Cenn(LRW)》
1《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
3《セラの報復者/Serra Avenger(TSP)》
4《太陽の槍/Sunlance(PLC)》
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
1《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
1《民兵団の誇り/Militia’s Pride(LRW)》
1《補強/Fortify(TSP)》
1《栄光の頌歌/Glorious Anthem(10E)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
11《冠雪の平地/Snow-Covered Plains(CSP)》
4《ひなびた小村/Rustic Clachan(MOR)》
4《地平線の梢/Horizon Canopy(FUT)》
2《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair(TSP)》
2《変わり谷/Mutavault(MOR)》

3《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
3《薄れ馬/Wispmare(LRW)》
2《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》
2《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked(PLC)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》

 今回の課題は「銀弾の選定」と「サイドボードの改良」にある。

 いかに銀弾という型それ自体が最強であっても、個々の銀弾の選定には十分に注意を要する。なんといっても銀弾それぞれが相互に補い合い、本来なら1枚ずつ×枚数分のカードスロットをその何倍にも底上げしようというのだから、カードの効果ベクトルとマナカーブ、それらの連関・・・すなわち縦のラインと横のラインを崩さないように配慮しなければならない。銀弾1枚を差し替えるだけでも、綿密な計算の上で成り立っている(という妄想上の)微妙なバランスを崩壊させかねないのだ。

 それを踏まえて、前回メインに銀弾として採用されていた《混迷の挽回/Redeem the Lost(MOR)》は構える暇がないということで解雇し、新たに《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》を搭載した。1マナでキャストできる上、アドバンテージが取れる可能性もある。ダメランを増やさずとも《地平線の梢/Horizon Canopy(FUT)》から自然に撃てることもプラス評価だ。問題はそれだと緑マナソースが4枚しか積めない=撃てなくね?ってことだが、所詮1枚差しなんだからという都合のいい解釈を用いて脳内解決することにする。

 メインの変更点はそれくらいで、残るはサイドボード。

 前回はサイドボードも「銀弾詰め替え用」すなわち予備の弾丸が用意されていたが、これはあまりに後ろ向きではないか?せっかくのリヴォルヴァー式とはいえ、予備を用意するということは銀弾を「外してもいい」という余裕、心の隙が生まれてしまう。これは精神的によろしくない。

 現実世界に話を戻せば、サイドボードは相性の悪い特定のデッキに対して相性を向上させるための専用カードを積むわけであるから、引かなければ意味がない。つまり1枚差しに何のメリットもないのだ。

 そんなわけでサイドボードの銀弾とか全く何の意味もなかったことに気がついた俺は、まず対赤単を強く意識した。プロテクション赤のカードがメインはサルプリ1枚しかないためメインの相性がすこぶる悪い。となればサイド後二本のどちらかを先手でとられてしまう可能性が高いのだ。ということは少なくとも、サイド後には赤単に対して有利がつくように、サイドカードを用意しなければならない。

 というのは建て前で、ここ最近赤バーン系デッキに対して(タッチタルモや《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》など多少の構成の違いはあれど)連敗を喫しており、GP静岡以降メタゲームの一角にのし上がったこの安くて強い簡単デッキを、ぼっこぼこにしてやりたくなったのである。

 そんなわけで従来の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》と追加の《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》に加え、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》まで搭載するに至った。

 《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked(PLC)》は《死の印/Deathmark(10E)》や《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》にまともに対抗できる唯一のカードである・・・と書くと強そうだが、《叫び大口/Shriekmaw(LRW)》や《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》には完全に無駄カードとなるため2枚に抑えている。タップ+バウンスの《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》をはじける可能性もあるが、そんなことは滅多に起こらないだろう。



 経験を踏まえ、さらなる磨きのかかった銀弾キスキン。

 これならばもう4−0からの2連敗などという惨めな成績を残すこともない。

 そう・・・7−0まで。

 登りつめるのだ。キングオブビートダウンの高みへ。


 横浜の地に集いし参加者84名、スイスドロー7回戦。この会場の全員、俺の銀弾で撃ちぬいてやる!!


第一回戦 VS白単キスキン                 2−1
一戦目 後手トリプルマリガン。1ターン目の《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》にも綺麗に引っかかってゲームにならず。
In
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
3《薄れ馬/Wispmare(LRW)》
3《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
Out
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
1《民兵団の誇り/Militia’s Pride(LRW)》
1《補強/Fortify(TSP)》
2《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart(LRW)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
4《太陽の槍/Sunlance(PLC)》
二戦目 《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》が強すぎて勝ち。
三戦目 お互い《皺だらけの主/Wizened Cenn(LRW)》2枚出して、こっちだけ《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》を引いて膠着するも、《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》を3枚引かれてこちらは1枚も引けず地道にライフが削れていく。《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain(LRW)》のチャンプアタックで生き残るターンを稼ぎ、ようやく《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》にたどりつく。メドウグレインにつけて《セラの報復者/Serra Avenger(TSP)》とともに飛行で詰めていってエンチャント除去も《忘却の輪/Oblivion Ring(LRW)》も引かれず勝ち。

第二回戦 VS緑黒エルフ戦士               2−0
一戦目 先手でぶん回って勝ち。
In
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
3《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
2《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked(PLC)》
Out
1《民兵団の誇り/Militia’s Pride(LRW)》
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
2《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》
1《補強/Fortify(TSP)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
1《主の戦術家/Cenn’s Tactician(MOR)》
二戦目 相手ダブマリでこっちがたまたま《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》引いてないところに《原基の印章/Seal of Primordium(PLC)》置かれたりして《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》も間に合わなくて勝ち。

第三回戦 VS青白コンボ型マーフォーク(時の詩人)    1−2
一戦目 後手ワンマリであっさり《鱗粉の変わり身/Mothdust Changeling(MOR)》+《水流を読む者/Judge of Currents(LRW)》+《群れの召喚/Summon the School(LRW)》が成立して負け。
In
3《薄れ馬/Wispmare(LRW)》
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
Out
1《民兵団の誇り/Militia’s Pride(LRW)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
1《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
1《補強/Fortify(TSP)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
1《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》
1《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》
二戦目 ぶん回って勝ち。
三戦目 《アトランティスの王/Lord of Atlantis(TSB)》2枚と《メロウの騎兵/Merrow Reejerey(LRW)》出されて一瞬で14点くらい削られて負け。《テフェリーの濠/Teferi’s Moat(TSB)》入ってるの知ってたけど薄れ馬とか入れてる場合じゃなかった。サイドミス。

第四回戦 VS赤タッチタルモ           0−2
一戦目 普通に負け。
In
3《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
2《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》
2《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked(PLC)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
Out
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
4《太陽の槍/Sunlance(PLC)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
2《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》
1《補強/Fortify(TSP)》
1《民兵団の誇り/Militia’s Pride(LRW)》
1《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》
二戦目 残りライフ2まで削るがそこで殴り手を焼きつくされて土地に殴られる場になってしまい負け。

第五回戦 VS青白ヒバリ           0−2
一戦目 メインで《神の怒り/Wrath of God(10E)》撃たれて負け。
In
3《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》
3《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
1《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
Out
2《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
1《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》
1《主の戦術家/Cenn’s Tactician(MOR)》
1《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》
1《栄光の頌歌/Glorious Anthem(10E)》
二戦目 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher(PLC)》+《神の怒り/Wrath of God(10E)》とか無理ですからー。

 最強(笑)

 2−3ドロップが最強のわけがない。最強のキスキンへの道のりは果てなく遠い・・・




 その後サイドイベントのドラフトに参加。
 1パック目初手は《葉光らせ/Leaf Gilder(LRW)》《川床の水大工/Streambed Aquitects(LRW)》流して《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin(LRW)》(色んな人にないって言われた。確かに冷静になって今考えてみると秒で葉光らせだ。ゴッド>除去>生物>その他の基本公式・・・しかも優秀な2マナ域は点数が跳ね上がる)。2手目はアンコ抜けで《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers(LRW)》《鳥の変わり身/Avian Changeling(LRW)》流して《皺だらけの主/Wizened Cenn(LRW)》。3手目は《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》とアンコ抜けで《変わり身の狂戦士/Changeling Berserker(LRW)》。4手目・・・《ベラドンナのとげ刺し/Nightshade Stinger(LRW)》。ヴィジョンが見えていた。自分のパックからもとげ刺しが帰ってきそうだったし。5手目《キスキンの大心臓/Kithkin Greatheart(LRW)》(ソートで上二人のどちらかが白だとわかっているのにまだ諦めきれていない。ピックミス)、6手目《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum(LRW)》、7手目《エルフの小間使い/Elvish Handservant(LRW)》とかで青いカードを流しまくり、8手目と9手目でとげ刺し回収して卓の色人数的に赤黒ローグのつもりだったが、13手目で《深海踏みのメロウ/Deeptread Merrow(LRW)》が取れて、15手目で《砕けた野望/Broken Ambitions(LRW)》がきた(!)ので下家方面に悪いが青黒ローグをやることに。
 2パック目初手は《皺だらけの主/Wizened Cenn(LRW)》流して《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》。あまりいいカードはとれず。
 3パック目初手は《鱗粉の変わり身/Mothdust Changeling(MOR)》。2手目は《欠片盗み/Morsel Theft(MOR)》流して《掛け鍵のフェアリー/Latchkey Faerie(MOR)》。帰ってくると信じたい。結局《掛け鍵のフェアリー/Latchkey Faerie(MOR)》はそれからさらに2枚取れて、でも同じように《欠片盗み/Morsel Theft(MOR)》を流さざるをえないところが1回あって、どちらも帰ってこず。

1《剣士団/Fencer Clique(MOR)》
1《夢棄ての魔女/Dreamspoiler Witches(LRW)》
1《湿地の飛び回り/Marsh Flitter(LRW)》
3《掛け鍵のフェアリー/Latchkey Faerie(MOR)》
3《深海踏みのメロウ/Deeptread Merrow(LRW)》
1《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(LRW)》
1《蛙投げの旗騎士/Frogtosser Banneret(MOR)》
1《鱗粉の変わり身/Mothdust Changeling(MOR)》
1《トゲだらけのボガート/Prickly Boggart(MOR)》
4《ベラドンナのとげ刺し/Nightshade Stinger(LRW)》
1《砕けた野望/Broken Ambitions(LRW)》
1《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin(LRW)》
1《頭殴り/Noggin Whack(MOR)》
1《盗人の運命/Thieves’ Fortune(MOR)》
1《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel(LRW)》
1《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》
1《分散/Disperse(MOR)》
1《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum(LRW)》
8《沼/Swamp(TSP)》
7《島/Island(LRW)》

 これに2枚の《欠片盗み/Morsel Theft(MOR)》が加われば向かうところ敵なしって感じなのだが・・・

第一回戦 VS緑白タッチ黒(ブラマス)         1−2
一戦目 ぶん回ってぼこぼこにする。
二戦目 《花粉の子守唄/Pollen Lullaby(LRW)》で1ターン稼がれた後、《雲冠の樫/Cloudcrown Oak(LRW)》出される。その上から強引に殴りにいくが1点足りずに負け。
三戦目 ダブマリして相手ぶんぶんでぼこぼこにされる。

 というわけで一没。だが反省はしない。

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