PTQタルキール覇王譚@大阪
2014年6月21日 読書 コメント (2)(川崎金沢とスルーしたので2週ほど遅れたが)モダンのPTQシーズンがスタート。
モダンはかつて最高のフォーマットだったエクステンデッドの系譜だし、個人的にもなかなか因縁深い(参照:
http://60486.diarynote.jp/201204031112334801/
http://60486.diarynote.jp/201204080125526679/
)ので、ちょっとやる気出して突破を目指していく。
◇
ところでモダンはちょっと前から、「どのデッキを選択すべきか?」が毎回のように深刻な課題となってのしかかる環境となっている。
プロツアー「神々の軍勢」での(俺を含む)日本勢の大敗から、モダンではコロコロとデッキを変えるよりも、気に入ったデッキをプレイングやサイドボーディングが完璧になるまで極めることが勝利の最低条件であることはわかった。
だが十分な練習は前提としても、その上でなお「どのデッキを選択すべきか?」は誰にとっても鬼門であることだろう。
最終的には「気に入ったデッキ使えばいいよ」になるにせよ、その使い始め、練習をスタートする際には何を使えばいいのか。それがわからないのだ。
この問題は、「モダンにデッキの種類が多すぎて、各アーキタイプが持つ個性の差が見極めにくい」ことが原因となっていると考えられる。
要するに、各デッキの定義がない(ようにプレイヤーからは見える)からだ。
使用者が「こういう要素(例:黒緑に勝ちたい、親和に勝ちたい)を持ったデッキを使いたい」と考えたときに、その要素を持ったデッキはそれだけならいくらでもあるため、イメージ的に言えば、「モダンのデッキ決断フローチャート」の最下段までなかなかたどり着かないのだ。
『モダンのデッキ選択フローチャート』
速度or干渉?→ ……… →BG
↓ ………
・ ……… →双子
・ ……… ・
・ ……… ・
・ ……… ・
・ ……… →リビングエンド
↓ ↓ ↓ ……↓
親和 感染 バーン…・トロン
仮にモダンのデッキが50種類あるとすると、モダンにおけるデッキ選択を厳密に行うには、25×25くらいの大きさのフローチャートをクリアしないとデッキが決まらない。そのためこのモデルでは、50種類以上の「そのデッキに求める要素」について、プレイヤーがあらかじめ答えを持っていなければならない。
しかしここで、50種類のデッキをすべて定義するというのはあまり現実的ではない。そんなことをしていたらPTQシーズンが終わってしまう。
結局「モダンで何を使えばいいのか?」という問題を解決するための現実的な妥協点としては、みんな無意識にやっていることだろうが、「モダンに存在するデッキをある程度の抽象度で定義する」ということになろう。
以下は抽象的な定義の例だ。
3つの大きな組分けがあり、その中で生物依存/非依存で2パターンにわかれる。
3つの組分けは基本的には「対戦相手に対する干渉の度合」で分類されている。
◆オールイン
この項目に含まれるデッキが持っている要素は、
・速度が早い
・対戦相手への干渉が少ない
この2つの要素はバーターであり、つまりオールインは速度と干渉の2択で前者を採り、追求したということになる。もちろんこの項目に含まれるデッキ同士であっても構造上の問題で速度に大きなバラつきはあるが、基本的には「そのコンセプトで出せる最高速を干渉を放棄してまで追求したものであるか」がここに分類される理由である。
◇オールイン(生物型)
・《稲妻/Lightning Bolt(M10)》《流刑への道/Path to Exile(CON)》に弱い
親和
感染
◇オールイン(非生物型)
・パーマネント干渉は《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》くらいしか効かない。
バーン
ストーム
Ad Grace
ライブラリアウト
ターボランド
◆ワンポイント
ゲーム中に1~2回対戦相手の行動を阻害することを目的としているが、残りのリソースは己の最高の動きに充てる。オールインしようとするとコンセプト上速度が足りないため、妨害を挟まざるをえないものが大抵ここに含まれる。
◇ワンポイント(生物型)
白黒トークン
ヘイトベア
マーフォーク
◇ワンポイント(非生物型)
トロン
スケープシフト
◆スウォート
相手の動きに明確に複数回干渉する。それ次第では自身の勝利ターンが遅れることも厭わない。
◇スウォート(生物型)
BG系
UR Delver
欠片の双子
フェアリー
出産の殻
◇スウォート(非生物型)
トリコ
リビングエンド
「デッキ選択が難しい」という人は、まずはこんな感じで自分なりに各デッキの持つ要素を整理すると良いかもしれない。
また、それぞれのデッキが「サイドボード後には別のポジションに移動しようとする場合がある」ことは覚えておいた方がいいだろう。
◇
各デッキの性質付けができたら、あとは「自分はどのような要素を望むか」を形にするだけだ。
ここではモダンの「強キャラ」についての加味も必要になる。
(参照:
http://www.happymtg.com/column/kogamodern/21182/
)
・強キャラ
親和
BG Junk & Jund
《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》
「コガモダン」においても取り上げられているように、モダンにおいてこれらの4つのデッキが「強キャラ」であることは論を俣たない。つまりこれら4つのデッキは、「PTQトップ8以降で対戦する確率が他のデッキと比べて高い」ということを意味する。
どのみち全勝に近いとはいえ、スイスラウンドならばまだしも1敗は許される。だがトップ8以降はそうではないので、これら4つのデッキと対戦したときのプランについては、特にシビアに考える必要がある。
このことを踏まえて、要素に優先度を設定して「デッキ選択の正しさ」をパラメータ化する思考実験がこれだ。
『あなたのデッキは何点?(100点満点)』
25点 GB・ジャンドに極端に不利(ダイアグラム4:6以下)ではない
25点 親和に極端に不利ではない
16点 双子に極端に不利ではない
16点 殻に極端に不利ではない
9点 ワンポイントに極端に不利ではない
4点 親和以外のオールインに極端に不利ではない
4点 上記以外のスウォートに極端に不利ではない
1点 その他のよくわからないデッキに対して極端に不利ではない
たとえばこの表で「80点以上が合格ライン」とするなら、25点要素を落とした段階で即不合格。16点を落としただけでも残り4点とかなりシビアになる。
自分の選択にはどうしてもバイアスがかかるので、他人のデッキ選択をテストするときの気持ちで客観的に運用できる基準を作ってみると、自分のデッキ選択に自信が持てるようになるだろう。
◇
そんなこんなで今回のデッキはこれ。
『Nakamichi Twin』
4 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》
3 《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
4 《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
3 《やっかい児/Pestermite(LRW)》
4 《血清の幻視/Serum Visions(5DN)》
4 《稲妻/Lightning Bolt(M10)》
3 《よじれた映像/Twisted Image(SOM)》
4 《差し戻し/Remand(RAV)》
2 《疑念の影/Shadow of Doubt(RAV)》
2 《電解/Electrolyze(GPT)》
4 《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
5 《島/Island(M14)》
1 《山/Mountain(M14)》
2 《蒸気孔/Steam Vents(RTR)》
1 《繁殖池/Breeding Pool(DIS)》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
4 《硫黄の滝/Sulfur Falls(ISD)》
2 《僻地の灯台/Desolate Lighthouse(AVR)》
3 《血染めの月/Blood Moon(CHR)》
3 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty(BOK)》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》
2 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》
1 《粉砕の嵐/Shatterstorm(10E)》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray(JOU)》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》
モダン神決定戦のデッキリスト(参照:
http://www.happymtg.com/coverage/21038/
)の中で特に印象的だった、青命令抜きの双子。サイドボードも美しくかつ意図が明確で、使いたいと思わせるデッキだった。
またBGと親和が目立っている中で、双子は(デッキパワーの割に)マークが薄くなっていると踏んだ。BGはきついが親和とバーンには有利なため、流行のアーキタイプに強い=時代が来ている、という流れ。
サイドボードはBGと親和ヘイトで《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》と《粉砕の嵐/Shatterstorm(10E)》を増やした。
参加者290名のスイスドロー9回戦。
9-0まで駆け抜ける!!
◇
第1回戦 VS白赤プリズン
1戦目 《金輪際/Nevermore(ISD)》を《差し戻し/Remand(RAV)》しつつ殴ってライフ詰めて勝ち。
2戦目 相手の土地が2枚で詰まって勝ち。
〇〇
第2回戦 VS白黒トークン(はまち君)
1戦目 先手土地2でキープして5ドローが全部3マナのカードで負け。
2戦目 フラッド気味のところに《刃砦の英雄/Hero of Bladehold(MBS)》を連打されて捌けずに負け。無駄に《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》を出したプレイミスもあり。
××
第3回戦 VSメリーラ殻
1戦目 《よじれた映像/Twisted Image(SOM)》強すぎワロタ。
2戦目 ダブマリするも相手のキープが《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》3枚とかだけで超クソゲーになる。で相手が何も引かない間にコンボ揃え直して勝ち。
〇〇
第4回戦 VS赤白黒ミッドレンジ
1戦目 コンボで勝ち。
2戦目 《亡霊の牢獄/Ghostly Prison(CHK)》置かれてもじもじしてる間に《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》につながれて負け。
3戦目 《血染めの月/Blood Moon(9ED)》無双で勝ち。
〇×〇
第5回戦 VS双子同型(もーふさん)
1戦目 《疑念の影/Shadow of Doubt(RAV)》ぶっ刺しつつクロック先行して、相手が動いたところでコンボ決めて勝ち。
2戦目 アグロに動いてライフ押し、隙あらばコンボという構え。ブロッカー兼コンボ封じとして出てきた《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》で《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》抜かれたけど返しで残り1枚の《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》トップして勝ち。
〇〇
第6回戦 VS白黒赤トークン
1戦目 フラッドして《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》と《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》だけで撲殺。
2戦目 相手トリマリでさすがに勝ち。
3戦目 《血染めの月/Blood Moon(9ED)》無双。
×〇〇
第7回戦 VSターボランド
1戦目 《差し戻し/Remand(RAV)》引けず、《精力の護符/Amulet of Vigor(WWK)》+《花盛りの夏/Summer Bloom(6ED)》で《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》出ちゃって、さらに《集団意識/Hive Mind(M10)》まで持たれてて負け。
2戦目 ダブマリしたけど《血染めの月/Blood Moon(9ED)》引けて置いて勝ち。
3戦目 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》サイドインしなかったせいで2ターン目《花盛りの夏/Summer Bloom(6ED)》からの3ターン目《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》にいかれて負け。下手くそだった。
×〇×
◇
5-2の残飯。
メタゲームとは何だったのかってくらいメタ外に当たった。まあトップ8までは雑多なデッキに当たり続けるのがモダンという環境ではあるから普通なんだけど。
みんな似たようなこと考えたのか会場に双子がそこそこ多くて、思ったよりマークが厳しかったのも印象的だった。
ただノー練習でもそこそこ勝てたので、デッキは割と気に入ったし使い続けるかも。サイドは3枚以上入れ替えると思うけど。
イカ彦は1没お疲れ。
次は来週の土浦ですノシ
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Today’s tune
重音テト「S.A.S」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21344576
コメント
土浦で使ってくれるのかなー?ww