何もかも諦めて生きていくつもりは無い

            ◇

 プロツアーに焦がれて。

 あの輝かしきフィーチャーテーブルに憧れて、今までトーナメントマジックを続けてきた。

 そう思っていた。

 しかし、「やまけんやあんちゃんの活躍に刺激を受けてPTQに再び出ることを決意した」と書いたときに、そうではなかったのかもしれないと気づいた。

 プロツアーへつながるほぼ唯一の道とはいえ、PTQはn分の1の勝者にとってしか価値がない。

 そんなPTQに出ることそれ自体にさえ、何らかの強烈なモチベーションが生まれている。

 そうだとすれば、それはプロツアーの権利だけが目的とは言えないのではないか。

 そう、プロツアーかどうかというのは単なる場の設定に過ぎない。

 俺が本当に求めているのは、つまり。

 彼らのように、真剣になれること。

 限られたルールの中、研ぎ澄まされた思考で、相手の一歩先をゆく論理で、薄氷の勝利をつかみとる。

 その生き様にこそ、俺は魅せられていた。

 たかがゲームであっても、何の意味もなくても、本気を出して、自分の持てる全てでもって、物事に立ち向かえる。

 そういう格好良い人間に、俺はなりたかったのだ。

            ◇

 チェックパックを終えて、もらったプールは以下。


 <白>×17
1 《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite(THS)》
1 《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus(THS)》
1 《天馬の乗り手/Wingsteed Rider(THS)》
1 《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos(THS)》
1 《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary(THS)》
1 《セテッサのグリフィン/Setessan Griffin(THS)》

1 《神々の思し召し/Gods Willing(THS)》
1 《異端の輝き/Glare of Heresy(THS)》
2 《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod(THS)》
1 《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod(THS)》
1 《今わの際/Last Breath(THS)》
1 《不屈の猛攻/Dauntless Onslaught(THS)》
1 《解消の光/Ray of Dissolution(THS)》
1 《不死の贈り物/Gift of Immortality(THS)》
1 《神聖なる評決/Divine Verdict(M13)》
1 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》

 <青>×18
1 《前兆語り/Omenspeaker(THS)》
2 《はじけるトリトン/Crackling Triton(THS)》
1 《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton(THS)》
1 《水跳ねの海馬/Breaching Hippocamp(THS)》
1 《先見のキマイラ/Prescient Chimera(THS)》
1 《水底の巨人/Benthic Giant(THS)》

2 《無効/Annul(MRD)》
1 《液態化/Aqueous Form(THS)》

1 《白鳥の歌/Swan Song(THS)》
1 《航海の終わり/Voyage’s End(THS)》
1 《反論/Gainsay(PLS)》
1 《解消/Dissolve(THS)》
1 《捕海/Griptide(THS)》
1 《タッサの二叉槍/Bident of Thassa(THS)》
2 《タッサの褒賞/Thassa’s Bounty(THS)》

 <黒>×18
1 《肉餓えの馬/Fleshmad Steed(THS)》
1 《蘇りし者の密集軍/Returned Phalanx(THS)》
1 《悪魔の皮のミノタウルス/Felhide Minotaur(THS)》
1 《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy(THS)》
1 《強欲なハーピー/Insatiable Harpy(THS)》
1 《洞窟のランパード/Cavern Lampad(THS)》
1 《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur(THS)》
1 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THS)》
1 《毒々しいカトブレパス/Loathsome Catoblepas(THS)》

2 《エレボスの加護/Boon of Erebos(THS)》
1 《毒蛇座の口づけ/Viper’s Kiss(THS)》
1 《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》
1 《ファリカの療法/Pharika’s Cure(THS)》
1 《殺し屋の行動/Cutthroat Maneuver(THS)》
1 《死の国からの救出/Rescue from the Underworld(THS)》
2 《一口の草毒/Sip of Hemlock(THS)》

 <赤>×9
1 《イロアスの神官/Priest of Iroas(THS)》
1 《死呻きの略奪者/Deathbellow Raider(THS)》
1 《槍先のオリアード/Spearpoint Oread(THS)》
1 《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur(THS)》

1 《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle(THS)》
1 《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》
1 《峰の噴火/Peak Eruption(THS)》
1 《裏切りの先触れ/Portent of Betrayal(THS)》
1 《落岩/Boulderfall(THS)》

 <緑>×13
1 《菅草の蠍/Sedge Scorpion(THS)》
1 《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》
1 《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser(THS)》
1 《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior(THS)》
1 《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster(THS)》
1 《ネシアンのアスプ/Nessian Asp(THS)》

1 《ナイレアの存在/Nylea’s Presence(THS)》
1 《蛮族の血気/Savage Surge(THS)》
1 《切り裂く風/Shredding Winds(THS)》
2 《古代への衰退/Fade into Antiquity(THS)》
1 《食餌の時間/Time to Feed(THS)》
1 《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow(THS)》

 <その他>×9
1 《アクロスの重装歩兵/Akroan Hoplite(THS)》
1 《難破船の歌い手/Shipwreck Singer(THS)》
1 《英雄の記録者/Chronicler of Heroes(THS)》

1 《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn(THS)》
1 《メレティスの守護者/Guardians of Meletis(THS)》

2 《こそ泥の兜/Prowler’s Helm(THS)》
1 《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals(THS)》

1 《未知の岸/Unknown Shores(THS)》


 こ、これは……?

 エルズペスktkr!!!

 しかも《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》もあって千葉への電車代は軽くペイできそうな内容。

 だが、ペスを引いておいてお持ち帰りで済ませるつもりはもちろんない。ここはベストな構築を探し当ててトップ8を狙いにいく。

 では、このプールではたしてどのようなデッキを組むべきだろうか?

            ◇

 さて、まずはメインカラーを決めなければならない。

 幸いにして環境最弱色である赤は枚数が少なく使いたいカードが《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》くらいしかないため、早々に切れる。

 逆に《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》擁する白は生物も一応いて《神聖なる評決/Divine Verdict(M13)》や《神々の思し召し/Gods Willing(THS)》《解消の光/Ray of Dissolution(THS)》など痒いところに手が届くパーツが揃っており、ほぼメインカラーで確定だろう。

 となると、あとは白の相方を選ぶ必要がある。

 まず、白青だけはなさそうだ、という印象を抱く。二線級の生物を数多く採用しないと頭数が確保できないからだ。それに最も使いたい《航海の終わり/Voyage’s End(THS)》と《捕海/Griptide(THS)》はいずれもタッチで運用できる。

 そうすると白黒と白緑の2択だが、黒のメリットは《一口の草毒/Sip of Hemlock(THS)》2枚と《強欲なハーピー/Insatiable Harpy(THS)》だけなのに対し、緑はディッチャ、《ネシアンのアスプ/Nessian Asp(THS)》、《食餌の時間/Time to Feed(THS)》、《ナイレアの存在/Nylea’s Presence(THS)》からのマナベース補助、《英雄の記録者/Chronicler of Heroes(THS)》が使用可能になることによる基本サイズの底上げなど、メリットが多い(《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos(THS)》は白黒の方が運用しやすいが、《ナイレアの存在/Nylea’s Presence(THS)》《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn(THS)》《未知の岸/Unknown Shores(THS)》とあるので緑白でも運用は可能)。

 というわけでメインカラーは白緑に決定。続いて個々のカードの取捨選択に移る。

 《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite(THS)》と《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod(THS)》のパッケージを入れること、《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior(THS)》のようなシナジーカードはできれば抜くこと、メインボードにディッチャを2枚入れること、といった点に気をつけてカードを並べると、ほとんど選択肢はなかった。

 最後まで悩んだのは2枚目の《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod(THS)》だが、スペルの中では一番弱いのでやむなし。

 こうして以下のデッキが完成した。


 『緑白タッチ青』
1 《菅草の蠍/Sedge Scorpion(THS)》
1 《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite(THS)》
1 《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》
1 《天馬の乗り手/Wingsteed Rider(THS)》
1 《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser(THS)》
1 《英雄の記録者/Chronicler of Heroes(THS)》
1 《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos(THS)》
1 《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn(THS)》
1 《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary(THS)》
1 《ネシアンのアスプ/Nessian Asp(THS)》
1 《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster(THS)》
1 《セテッサのグリフィン/Setessan Griffin(THS)》
1 《神々の思し召し/Gods Willing(THS)》
1 《今わの際/Last Breath(THS)》
1 《ナイレアの存在/Nylea’s Presence(THS)》
1 《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod(THS)》
1 《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod(THS)》
1 《航海の終わり/Voyage’s End(THS)》
1 《古代への衰退/Fade into Antiquity(THS)》
1 《食餌の時間/Time to Feed(THS)》
1 《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow(THS)》
1 《神聖なる評決/Divine Verdict(M13)》
1 《捕海/Griptide(THS)》
1 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》
8 《平地/Plains(M14)》
7 《森/Forest(M14)》
1 《未知の岸/Unknown Shores(THS)》


http://gyazo.com/4d40553b6d36120da4496d307b60fe4f

 ただし構築ミスが一点あって、なぜか《解消の光/Ray of Dissolution(THS)》ではなく《古代への衰退/Fade into Antiquity(THS)》をメインボードに入れていること。インスタントである点とライフ維持の観点でほぼ完全に上位互換。頭が寝ていた。

 ちなみに、上記の思考をするにあたっては、happymtgにて、

 『How do you build?』
http://www.happymtg.com/column/ito_sealed/14594/

 『rizer’s answer』
http://www.happymtg.com/column/ishimura_sealed/14958/

 という記事を書かせていただいている経験がとても役に立っている。

 特にrizerへのインタビューは、以前はとりたててシールドにロジックを持っていなかった俺に明確に変革をもたらした。

 なかでも、掲載予定のrizer’s answer Part2の内容にも関わる部分だが、適切な速度感覚を持てたのが非常に大きい。

 可能ならばここで掲載を中止して秘密にしておきたいくらいだ(しないけど)。

 rizer先生、この場を借りてお礼を申し上げます。インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。

            ◇

 先々週に広島まで行って2-2ドロップだったのはなかなか堪えた。

 そういえば俺はリミテッドのPTQで抜けたことがない(双頭巨人戦リミテッドならあるが)。

 長年マジックをやっていて、構築はノホシ君から、ドラフトはミンスさんからレベルアップの契機をいただいた。

 だが、シールドだけは。

 10年強もマジックをやってきていまだ技術を言語化できていない、いやそもそも技術すらない、いわば赤子のような状態だったのだ。

 それ故に、ああこのPTQシーズンは抜けられないかもな、と半ば諦め気味に考えていた。

 しかし、rizerへのインタビューが全てを変えた。

 シールドに対する苦手意識を鮮やかに塗り替えたのだ。

 とすれば、今の俺に弱点はない。

 もとより、回数を重ねたところで誰もが引けるわけではない最強神話レア《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》までもらっておいて、負けは許されない。

 必ず勝つ。

 参加者96名、スイスドロー7回戦。7-0まで駆け抜ける!!

            ◇

第一回戦 VS青赤タッチ白
一戦目 ダブマリしたけど相手の土地が詰まり気味で何とかまくって勝ち。
二戦目 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》出して勝ち。
〇〇

第二回戦 VS青緑タッチ白赤
一戦目 《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior(THS)》に《液態化/Aqueous Form(THS)》つけたのを《捕海/Griptide(THS)》でシャクって、《食餌の時間/Time to Feed(THS)》を《神々の思し召し/Gods Willing(THS)》でかわして勝ち。
二戦目 相手がダブマリしてやりたい放題やって勝ち。
〇〇

第三回戦 VS白黒タッチ青
一戦目 相手ワンマリ、こっちがビートハンドで相手の初動がT3《骨読み/Read the Bones(THS)》だったので殴りきって勝ち。
二戦目 消耗戦になるが《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster(THS)》が無双して勝ち。
〇〇

第四回戦 VS青緑黒
一戦目 ビートからの《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow(THS)》がぶっ刺さって勝ち。
二戦目 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》で勝ち。
〇〇

第五回戦 VS青白(トモハル)
一戦目 相手ダブマリ、こちら《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》→《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary(THS)》→《ネシアンのアスプ/Nessian Asp(THS)》→《捕海/Griptide(THS)》という超ドブンで勝ち。
二戦目 こちら序盤事故気味ながら《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》のおかげで相手のクロックを抑えられて、しかも相手が土地祭ってて消耗戦になる。後半から相手が占術連打からの強呪文ループに入るが、ディッチャ祭りがかみ合って相手にクロック作らせずに勝ち。
〇〇

第六回戦 VS青黒タッチ緑(イカ彦)
全勝3人で俺だけ下当たり。『神様へのブラフ』の絆でしょうがないからトスしといてやった。
××

第七回戦 VS青白(くそげーまー)
IDできるラインだったのでID。
--

            ◇

 5-1-1で無事6位通過。

 トップ8ドラフトの席順は、

1:知らない人
2:知らない人
3:KAKAO
4:くそげーまー
5:俺
6:知らない人
7:イカ彦
8:知らない人

 さて、この席順を見てあなたならどういうピック指針を立てるだろうか?

            ◇

 「質問の意味がわからない」と思われるかもしれない。

 何せ1パック目を開封する前の段階である。

 判断するには、一見情報が足りない。

 だが、ブースタードラフトにおいては。

 たとえプロツアーレベルであっても「人メタ」が存在する。

 もしあなたがPaul Rietzlの下家に座っていたら、白や赤をピックするのには若干の抵抗があるだろう。

 それと同様に。

 この段階でも、俺にとっては十分な情報がある。

 まず上上家のKAKAOは、合宿での経験からかなりの「青緑スキー」で、それが自身の勝ちパターンでもあるため、青と緑のカードの点数をかなり引き上げてピックする可能性が高い。

 続いて上家のくそげーまーだが、彼については過去3回カバレージを取らせていただいた経験と、IDの際に見せてもらったシールドデッキ(試練3枚の青白英雄的だった)からして、俺と傾向が近い「ビートダウンスキー」である。したがって、決勝ドラフトでも1パック目で《天馬の乗り手/Wingsteed Rider(THS)》や白のアンコを1枚見れば白に参入する可能性が著しく高い。

 加えて、俺の6位通過という成績では決勝まで先手を取れる可能性は著しく低い。となると、先手後手差が大きい白や赤メインのドラフトをしたくはない(ここで8位通過者であるくそげーまーが白をやりたがるという推測とは矛盾が生じるが、くそげーまーはIDの際にオポネント計算が出来なかったことから、まだメタ的なトーナメント戦略思考に不慣れと思われるという前提がある。したがって依然上家は白傾向が強いという仮定は成立しうる)。

 以上の情報から、俺が入るべきは黒という結論を得た。

 そして相方はできれば、先手後手差をひっくり返せるバウンス擁する青がいい。

1-1 《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》
1-2 《捕海/Griptide(THS)》
1-3 《強欲なハーピー/Insatiable Harpy(THS)》
1-4 《ナイレアの信奉者/Nylea’s Disciple(THS)》(《肉餓えの馬/Fleshmad Steed(THS)》と悩んだ)
1-5 《トリトンの戦術/Triton Tactics(THS)》
1-6 《エレボスの加護/Boon of Erebos(THS)》
2-1 《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》
2-2 《破壊的な享楽/Destructive Revelry(THS)》カット(青と黒のカードが1枚もなかった)
2-3 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THS)》
2-4 《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy(THS)》
2-12 《災いの印/Scourgemark(THS)》(ラッキー!)
3-1 《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon(THS)》あとは流れで。
3-5くらいで《運命の工作員/Agent of the Fates(THS)》が流れてきて勝利を確信。


1 《苛まれし英雄/Tormented Hero(THS)》
1 《蘇りし者の密集軍/Returned Phalanx(THS)》
1 《肉餓えの馬/Fleshmad Steed(THS)》
1 《蒸気の精/Vaporkin(THS)》
1 《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》
1 《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy(THS)》
2 《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder(THS)》
1 《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton(THS)》
2 《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》
1 《エレボスの使者/Erebos’s Emissary(THS)》
1 《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax(THS)》
1 《強欲なハーピー/Insatiable Harpy(THS)》
1 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THS)》
1 《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon(THS)》
1 《トリトンの戦術/Triton Tactics(THS)》
2 《エレボスの加護/Boon of Erebos(THS)》
2 《災いの印/Scourgemark(THS)》
1 《エレボスの試練/Ordeal of Erebos(THS)》
1 《ファリカの療法/Pharika’s Cure(THS)》
1 《捕海/Griptide(THS)》
10 《沼/Swamp(M14)》
6 《島/Island(M14)》


http://gyazo.com/ce76c949b505666618973bcf2a00ef49

 組んだ瞬間に「これは勝った」と思える会心の出来だった。

1:白緑
2:赤緑
3:青緑(KAKAO)
4:青白(くそげーまー)
5:黒タッチ青(俺)
6:白赤
7:青黒(イカ彦)
8:青白

 卓で黒をやっていたのは俺と下下家のイカ彦のみ。上5人が黒をやっていないというスーパーグッドポジションだった。

            ◇

準々決勝 VS白緑
一戦目 後手《苛まれし英雄/Tormented Hero(THS)》《エレボスの試練/Ordeal of Erebos(THS)》《エレボスの加護/Boon of Erebos(THS)》だが土地が《沼/Swamp(M14)》1枚のみ。意を決してキープすると、相手の初動が3ターン目かつ2ドロー目が《島/Island(M14)》。かみ合って勝ち。
二戦目 土地5《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton(THS)》《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy(THS)》というハンドを悩んでキープ。対赤や対緑は《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton(THS)》がマッチのキーになる可能性が高い。が、相手が《菅草の蠍/Sedge Scorpion(THS)》→《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》というドブンに加えてドローが土地多めで普通に負け。
三戦目 相手の土地が《森/Forest(M14)》3枚で詰まる。対してこちらはストレートに5マナ目引けて《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder(THS)》に《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》『授与』できて、あとは《捕海/Griptide(THS)》で追い打ちをかけて勝ち。
〇×〇

準決勝 VS青緑(KAKAO)
イカ彦を倒したレア3枚(《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea(THS)》《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix(THS)》《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken(THS)》)デッキ。
一戦目 後手だが《苛まれし英雄/Tormented Hero(THS)》スタート、さらに《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder(THS)》2枚引いてダメージ稼いでからの《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THS)》で勝ち。
二戦目 割といい回りだったけどバウンス連打からの《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix(THS)》で完璧にまくられて負け。
三戦目 相手ワンマリから弱いところしか引いてなくて、《エレボスの試練/Ordeal of Erebos(THS)》でハメ勝ち。
〇×〇

            ◇

 PTQ決勝に進んだのは、フィラデルフィア予選(http://60486.diarynote.jp/201108021002412586/)以来2年ぶりだ。

 そもそも1年ほどはまともにPTQに出てすらいなかった。

 俺のプレイングと集中力は、多分全盛期の半分くらいに衰えているだろう。

 だがその代わり、この2年間で磨かれたものもあった。

 言語化だ。

 技術を言語にできること。

 普段は感覚で処理している、トータルなバランシングを、要素に分解し、優先順位をつけて、他者に説明できるレベルにまで具体化すること。

 それは天才ではない者が経験的に1つ1つ悪手を減らしていくために、なくてはならないものだと俺は考えている。

 こうしてトーナメントでの思考とその理由を密度濃く一貫性を持って記せること、それ自体が俺の成長の証だ。

 だから。

 ただ情熱だけを抱えてがむしゃらにぶつかる時期は過ぎ去った。

 今の俺には根拠がある。確信には理由がある。

 集中しろ。

 あとはただ、

 本気を出して、自分の持てる全てでもって、

 立ち向かうだけだ。

            ◇

決勝 VS赤緑
一戦目 後手、《島/Island(M14)》2枚に《苛まれし英雄/Tormented Hero(THS)》《エレボスの試練/Ordeal of Erebos(THS)》。沼10枚なのでキープするが引けたのが4ドロー目でしかも相手が2→3→4の動き(しかも《都市国家の破壊者/Polis Crusher(THS)》)で微妙に遅くて負け。
二戦目 再び《島/Island(M14)》2枚に《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton(THS)》という手札。一戦目のトラウマが蘇るが、トリトンがマッチのキーなのでキープ。3ターン目のドローが《沼/Swamp(M14)》で九死に一生を得る。《エレボスの試練/Ordeal of Erebos(THS)》と《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》つけて相手のクロック封じながら殴って勝ち。
三戦目 《沼/Swamp(M14)》《島/Island(M14)》《苛まれし英雄/Tormented Hero(THS)》《ファリカの療法/Pharika’s Cure(THS)》《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder(THS)》《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》あと何かみたいな完璧な初手。無事《沼/Swamp(M14)》も引けて相手の初動を咎めた後、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》だけケアしながら動いてダメージを刻み、《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad(THS)》で一気にライフ詰めた後、最後は《エレボスの使者/Erebos’s Emissary(THS)》を『授与』して勝ち。
×〇〇

            ◇

 というわけでPTQ抜けました。

 スイスの3回戦目くらいから体調激悪で、明らかに風邪を引いていた。

 それでもゲーム中や決勝ドラフトのピックは今までになく集中できたし、ドラフトは読み勝ちできた。

 何より、こうして形になるものがあったのだ。

 シールドパックの強さやドラフト戦略の的中という、運による部分が大きいにせよ。

 少しは誇ってもいいのかな、とそう考えている。

-----------------------------

 Today’s tune

 UVERworld「Fight for Liberty」

http://www.youtube.com/watch?v=uap5DiPM0vY

コメント

よっしー
2013年11月11日3:06

おめでとうございます!

drafter
drafter
2013年11月11日4:08

おめでとうございます!1ファンとして嬉しいです^^

極上えび天丼
2013年11月11日7:49

キター。おめでとうございます。

紡
2013年11月11日7:50

おめでとうございます!
これぞ正に神様へのブラフですね(テーロス環境だけに)

無界さん
2013年11月11日8:09

感動した!!
本戦も頑張って下さい!!

みやじ~
2013年11月11日8:25

おめでとうございます。
非常に参考になる記事だった為、勝手ながらリンクさせて頂きます。

セイント ザウルス
2013年11月11日9:22

おめでとうございます
いつも記事読ませていただいておりましたので、ファンとして
本当に嬉しいです
ついでにシールドのプールが、私がチェックしたものでしたので、
それもちょっと嬉しかったです。

カブル
2013年11月11日9:27

おめでとうございます!

セム裸
2013年11月11日9:50

優勝おめでとうございます!

決勝ドラフト1回戦で対戦させて頂いたものです。


またどこぞでマッチした際は宜しくお願いします。リンクさせて頂きましたー。

YMS
2013年11月11日10:19

おめでとうございます!!プロツアーでの活躍を願っています。

さんた
2013年11月11日13:18

おめでとうございます!

bun
2013年11月11日13:29

おめでとうございます!

「言語化」の下りについてはすげー共感しました。

アクアミーバ
2013年11月11日21:24

おめでとうございます(^.^)

「彼らのように、真剣になれること」か・・・

俺も、もう一度だけPTに参加してみたいって思えてきますね。

サンダー
2013年11月12日10:45

記事に感動しました(T^T)勝手ながらリンクさせて
頂きます

まつがん
2013年11月12日22:03

皆様ありがとうございます。プロツアー本戦も頑張ってきます!

ロボ猫ふらみー
2013年11月18日12:31

かっこよすぎる・・・!これぞ主人公だわ!

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