PTQホノルル@板橋
2011年11月6日 音楽今年もまたこの季節がやってきた。
シーズン一発目のプロツアーへのPTQ。プロツアーはあと世界選手権を残すだけとなり、2011シーズンが終わりを迎えようとしているこの時期に、既に次のシーズンの戦いは始まっている。
ホノルルでのPT開催は2006年、2009年に続き三度目。俺の初PT(初日1-7)もホノルルだった。観光地ということもあって非常に魅力的なプロツアーである。
とはいえ、フィラデルフィアでのトップ50によりプロツアーの参加権利自体は既にあるのだが、航空券ないと行くかわからないので参加することにした。
リミテッドのPTQはPTQパリ(1回しか出てない)以来1年ぶりか。構築PTQの殺伐とした感じも好きだけど、リミテッドはリミテッドで普段構築やらない猛者どもが腕の見せ所みたいな感じで集ってくるから面子が豪華で楽しい。決勝ドラフトもあるしね。
◇
チェックしたパックは自分ではあまりもらいたくない、パッとしない内容のもの。
もらったカードプールはイカ彦のチェックパックで以下。
<白>×14
1《修道院のグリフィン/Abbey Griffin(ISD)》
1《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》
1《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》
1《弱者の師/Mentor of the Meek(ISD)》
1《深夜の出没/Midnight Haunting(ISD)》
1《農民の結集/Rally the Peasants(ISD)》
1《無私の聖戦士/Selfless Cathar(ISD)》
1《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》
1《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》
1《幽体の乗り手/Spectral Rider(ISD)》
2《スレイベンの純血種/Thraben Purebloods(ISD)》
1《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》
1《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》
<青>×17
1《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome(ISD)》
1《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》
1《錯乱した助手/Deranged Assistant(ISD)》
1《雲散霧消/Dissipate(ISD)》
1《夢のよじれ/Dream Twist(ISD)》
1《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》
1《恐慌盲/Hysterical Blindness(ISD)》
2《その場しのぎのやっかいもの/Makeshift Mauler(ISD)》
1《記憶の旅/Memory’s Journey(ISD)》
1《精神叫び/Mindshrieker(ISD)》
1《ルーンの反復/Runic Repetition(ISD)》
1《感覚の剥奪/Sensory Deprivation(ISD)》
1《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》
1《幽体の飛行/Spectral Flight(ISD)》
1《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》
1《熟慮/Think Twice(ISD)》
<黒>×12
1《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》
1《脳ゾウムシ/Brain Weevil(ISD)》
1《夜の衝突/Bump in the Night(ISD)》
1《忘却の呪い/Curse of Oblivion(ISD)》
2《死の重み/Dead Weight(ISD)》
1《グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand(ISD)》
1《グール呼びの詠唱/Ghoulcaller’s Chant(ISD)》
1《荘園の骸骨/Manor Skeleton(ISD)》
1《マルコフの上流階級/Markov Patrician(ISD)》
1《神聖を汚す者のうめき/Moan of the Unhallowed(ISD)》
1《腐敗した沼蛇/Rotting Fensnake(ISD)》
<赤>×18
1《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》
2《灰口の猟犬/Ashmouth Hound(ISD)》
1《血に狂った新生子/Bloodcrazed Neonate(ISD)》
1《交差路の吸血鬼/Crossway Vampire(ISD)》
2《夜毎の狩りの呪い/Curse of the Nightly Hunt(ISD)》
1《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart(ISD)》
3《噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)》
1《霊炎/Geistflame(ISD)》
1《収穫の火/Harvest Pyre(ISD)》
1《業火への突入/Infernal Plunge(ISD)》
1《ケッシグの狼/Kessig Wolf(ISD)》
1《スカースダグの信者/Skirsdag Cultist(ISD)》
2《村の鉄鍛冶/Village Ironsmith(ISD)》
<緑>×15
2《骨塚のワーム/Boneyard Wurm(ISD)》
1《暗茂みの狼/Darkthicket Wolf(ISD)》
1《骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone(ISD)》
1《墓所の茨/Grave Bramble(ISD)》
1《赤子捕らえ/Kindercatch(ISD)》
1《帰化/Naturalize(ISD)》
1《果樹園の霊魂/Orchard Spirit(ISD)》
2《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile(ISD)》
1《蜘蛛の掌握/Spidery Grasp(ISD)》
1《裂け木の恐怖/Splinterfright(ISD)》
1(昼)《ウルヴェンワルドの神秘家/Ulvenwald Mystics(ISD)》
1(昼)《エストワルドの村人/Villagers of Estwald(ISD)》
1《霊の花輪/Wreath of Geists(ISD)》
<銀>×7
1《猛火の松明/Blazing Torch(ISD)》
1《継ぎ当ての翼/Cobbled Wings(ISD)》
1《霊捕らえの装置/Geistcatcher’s Rig(ISD)》
1《墓地のシャベル/Graveyard Shovel(ISD)》
1《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》
1《穿孔の刃/Trepanation Blade(ISD)》
1《魔女封じの宝珠/Witchbane Orb(ISD)》
<土地>×1
1《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》
こ、これは・・・?
◇
「シールドではレアを使え」という格言がある。ないかもしれないが今作った。
その言葉に従えば、このカードプールでまず使用を検討するべきは随一の強力なレアである《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》だろう。
次いで《弱者の師/Mentor of the Meek(ISD)》、《精神叫び/Mindshrieker(ISD)》、《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》あたりがデッキに入れたいレアと言えるだろうか。
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》も相方のスペル次第では非常に強力なのだが、残念ながら今回のカードプールではメインの除去が《死の重み/Dead Weight(ISD)》でフラッシュバックできず、他に碌なインスタント・ソーサリーもないためそこまで強くはない。とはいえ、青を使うなら《待ち伏せのバイパー/Ambush Viper(ISD)》としてデッキには入るんだろうけども。
ともかく、このカードプールならば青黒白の三色から二色を選び、残り一色をタッチするなり何なりしてデッキを作るのが常道だろう。
だが、もちろんそんなデッキは組んでいない。
結論から言うと、俺はこのカードプールから5分かけずにデッキを組み上げた。おそらく会場で一番早かっただろう。当然何の意味もないが、つまりそれくらい迷いない出来栄えだったのである。
その会心のデッキがこちら。
『WR』
1《スカースダグの信者/Skirsdag Cultist(ISD)》
1《修道院のグリフィン/Abbey Griffin(ISD)》
1《交差路の吸血鬼/Crossway Vampire(ISD)》
1《弱者の師/Mentor of the Meek(ISD)》
1《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》
1《深夜の出没/Midnight Haunting(ISD)》
1《ケッシグの狼/Kessig Wolf(ISD)》
1《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》
1《幽体の乗り手/Spectral Rider(ISD)》
1《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》
1《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》
1《血に狂った新生子/Bloodcrazed Neonate(ISD)》
2《灰口の猟犬/Ashmouth Hound(ISD)》
2《村の鉄鍛冶/Village Ironsmith(ISD)》
1《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》
1《無私の聖戦士/Selfless Cathar(ISD)》
1《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》
3《噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)》
1《霊炎/Geistflame(ISD)》
1《猛火の松明/Blazing Torch(ISD)》
8《山/Mountain(ISD)》
8《平地/Plains(ISD)》
マナカーブのピークを2マナと3マナの間に抑え、最大マナ域を4マナとする十分な数のクリーチャーと、それをサポートする最小限のスペル。これが美でなくて何だというのか。
ただ、唯一の失敗は土地を15枚にしなかったことだ。
普通ドラフトにおけるこのアーキタイプ(赤Xアグロ)では《夜鳥の手中/Nightbird’s Clutches(ISD)》が取れているため、表裏で撃つ6マナまで到達しうることを考慮して土地16で組むのだが、カードプールに恵まれず《夜鳥の手中/Nightbird’s Clutches(ISD)》がない今回は、土地が3枚で止まるのが理想的なほどスペルが軽く、またフラッシュバックが少ない故にアドバンテージが取れないため、スクリューよりフラッド側のケアが必要だった。
つまり土地を1枚削って《農民の結集/Rally the Peasants(ISD)》を入れるのが正解。あとはどこも間違ってない。後悔もしていない。
もちろんこのカードプールを見せた10余名には全員から「病気?」「キ○ガイ」「頭がおかしい」「サイドボードの方が強くない?」「またまつがんがやらかしたのか」「レア使わないなら俺にくれよ」などなど様々なありがたいお言葉を頂戴したが、そういう常識的な説得を踏まえてもなお、もう一度同じカードプールをもらっても同じデッキを組むだろう。
このカードプールで「レアを引くまで耐えるゲー」をするということは、同時に「相手の引いたレアにもとことん付き合う」ことを意味する。この除去が貧弱なカードプールで。
せめて《大物潰し/Smite the Monstrous(ISD)》でもあれば話は違うかもしれないが、そんな魑魅魍魎が跋扈する世界にこの程度のレアで立ち向かえるはずがない。そう、無理にレアゲーに付き合う必要はないのだ。
この異常に良いマナカーブとぶち切れた前のめりビートで、レアが出る前に勝つ。
それが俺の答えだ。
◇
セオリーを守ることは大事だ。
それは先人の知恵であり、繰り返しゲームにおける利益の多い最適戦略を象徴するものだからだ。
だが、PTQは繰り返しゲームではない。一発勝負のギャンブルだ。
だからあえてセオリーを無視し、神を裏切る。
刃が閃く瞬間を見せるのは、相手が死ぬときだけでいい。
参加者101名、スイスドロー7回戦。
7-0まで駆け抜ける!!
◇
第一回戦 VS赤黒(PTQフィリー決勝戦の相手)
言われるまで気づかなかったw 失礼しました。
一戦目 相手土地2と3で1回ずつ詰まって、《猛火の松明/Blazing Torch(ISD)》と《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》使わせてから《声無き霊魂/Voiceless Spirit(ISD)》に《噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)》つけてあとは無双して勝ち。
二戦目 また相手土地詰まっててこっちブンブンビートで勝ち。
○○
第二回戦 VS白緑(コマシ)
一戦目 後手、1マナ2マナ土地5でキープしてドロー土地3枚で負け。
二戦目 相手コンバットトリック引いてなくてこっちだけ《猛火の松明/Blazing Torch(ISD)》と《スカースダグの信者/Skirsdag Cultist(ISD)》いてまあ勝ち。
三戦目 《暗茂みの狼/Darkthicket Wolf(ISD)》→《月桂樹の古老/Elder of Laurels(ISD)》→古老に《信仰の縛め/Bonds of Faith(ISD)》でぼこぼこ殴られてさらに生物追加されて負け。デッキ強すぎるーいうて。
×○×
第三回戦 VS白緑
一戦目 地上がにらみ合いになり、《深夜の出没/Midnight Haunting(ISD)》トークンに《噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)》つけて3点クロック。さらに《スカースダグの信者/Skirsdag Cultist(ISD)》も追加して、地上が《旅の準備/Travel Preparations(ISD)》でこじ開けられる前に削りきる。
二戦目 相手先手ワンマリ土地1で詰まって勝ち。
○○
第四回戦 VS白青タッチ赤(カナ師匠さん)
一戦目 適当に殴ってから《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》で一瞬で11点削って勝ち。
二戦目 相手が飛行→《うろつく餌食の呪い/Curse of Stalked Prey(ISD)》で育てゲー始めて止められずに負け。
三戦目 1ゲーム目と同様。相手にあまり人間入ってなくて《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》がオールアンブロッカブルだった。
○×○
第五回戦 VS白緑
一戦目 《物騒な群衆/Unruly Mob(ISD)》と《もつれ樹/Lumberknot(ISD)》出されてチャンプ祭りで育てゲーされた後おもむろに《天使の監視者/Angelic Overseer(ISD)》出てきて、ライフあまり減ってなくて《邪悪の排除/Spare from Evil(ISD)》で削りきれずにgg。
二戦目 3マナで詰まりつつ相手土地引き気味だったのでライフを詰め、《肉屋の包丁/Butcher’s Cleaver(ISD)》引かれるも《銀筋毛の狐/Silverchase Fox(ISD)》で1回絆魂フィズらせて返しで4マナ目トップできれば《霊炎/Geistflame(ISD)》フラッシュバックでぴったり勝ちって盤面にするが、引けずにライフゲインされちゃって負け。
××
◇
3-2ドロップ。
レアデッキじゃない(レアも入ってたけど)完璧な白緑に当たってしまったのが不運。あとは土地15枚にしなかったミスのせい、ということにしておこう。
下手なレアもらうよりこういう綺麗なデッキ組めるカードプールもらった方が嬉しいので、勝てなかったのはもったいないな。
抜けたライザはおめ。
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Today’s tune
初音ミク「ルシッドドリーミング」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15912885
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