プロツアーフィラデルフィア2011Part1
2011年9月2日 読書未知の環境、モダン。
その難題に、プロツアー参加者たちは必死に取り組んだ。
前回の構築劇場(http://mtg-jp.com/reading/gekijo/001980/)でも書いたとおり、エクステンデッドの調整にかなりの時間を割いていた我々「神様へのブラフ」(俺、イカ彦、らっしゅ)は、今回のフォーマット変更でかなり打ちのめされた。
だが、これは逆にチャンスでもある。
おそらくZooを強くしたかったであろうウィザーズ。その思惑を外す至高のデッキを完成させることができれば、頂点も夢ではない。
連日の調整と、MOのDE結果が載る「What’s Happening」をチェックし続けた結果、出発2日前の段階で想定される(脳内)メタゲームは以下の通りだった。
19% 12Post
14% Zoo
11% Affinity
メタゲームのトップに12ポスト。2番手にZoo。3番手はメインの強さから親和が来ると予想された。残りは10%以下に有象無象がたくさんいる、という形。
そしてこのメタゲームを乗り切るための相棒、使用デッキは・・・
『The Bluff to God』
4《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》
4《炎の儀式/Rite of Flame(CSP)》
4《捨て身の儀式/Desperate Ritual(CHK)》
4《煮えたぎる歌/Seething Song(MRD)》
4《思案/Ponder(M12)》
4《定業/Preordain(M11)》
3《深遠の覗き見/Peer Through Depths(CHK)》
4《魔力変/Manamorphose(SHM)》
2《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(NPH)》
4《差し戻し/Remand(RAV)》
3《稲妻/Lightning Bolt(M11)》
1《留まらぬ発想/Ideas Unbound(SOK)》
4《蒸気孔/Steam Vents(GPT)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
3《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
3《冠雪の島/Snow-Covered Island(CSP)》
1《冠雪の山/Snow-Covered Mountain(CSP)》
1《滝の断崖/Cascade Bluffs(EVE)》
2《払拭/Dispel(WWK)》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
3《無知の喜び/Ignorant Bliss(DIS)》
3《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》
3《破壊放題/Shattering Spree(GPT)》
1《稲妻/Lightning Bolt(M11)》
1《残響する真実/Echoing Truth(DST)》
調整の初期段階から最強デッキの一角として君臨し続けていたストームが、今回の相棒となった。
12Postに有利、Zooに超有利、親和とは五分で戦えるこのデッキこそが最強・・・それが俺とイカ彦の結論だった。
◇
今まで参加したプロツアーの中でも最も多くの時間を割いたであろう今回。
もちろん自らが勝つための調整ではあるが、それだけではない。
「日本勢は、なぜ勝てなかったのか。」(http://archive.mtg-jp.com/eventc/ptams10/article/008381/)
ちょうど1年前、プロツアーアムステルダムのときに出された宿題に対する答えを、我々はいまだ追い求めている。
デッキビルダーの不在。コミュニティの消失。
ならばデッキを作ろう。コミュニティを立ち上げよう。
「神様へのブラフ」は、プロレベルのイベントに際しより効率の良い調整方法を模索し、メタゲームを予測し、適切なデッキ選択をするべく情報を分析する。
それは挑戦だ。「Channel Fireball」がそうしてきたように、プロツアーで活躍する方法論を確立するための。
そして最後には我々が打ち勝ってみせよう。
参加者417名、初日はスイスドロー8回戦。8-0まで駆け抜ける!!
◇
第一回戦 VS Mike, Ward(Mono-G Post)
一戦目 後手4ターン目に《内にいる獣/Beast Within(NPH)》を《差し戻し/Remand(RAV)》つつ24点ぶち込んで勝ち。
二戦目 2ターン目《三なる宝球/Trinisphere(DST)》→《内にいる獣/Beast Within(NPH)》×2→《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》でハメ殺されて負け。
三戦目 相手ダブマリの上に《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》とか置いてきて悠々とゴブリン12体並べて勝ち。
○×○
第二回戦 VS Florian, Pils(Red Affinity)
一戦目 先手3ターン目に27点で勝ち。
二戦目 2ターン目《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》パンチの返しで《破壊放題/Shattering Spree(GPT)》挟みつつのゴブリン12体で《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》撃たせずに勝ち。
○○
第三回戦 VS Brandon, Gade(Deceiver Twin)
一戦目 《呪文滑り/Spellskite(NPH)》の返しで後手4ターン目に見切り発車したけど《深遠の覗き見/Peer Through Depths(CHK)》+1ドローで《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》見つけられなくて負け。
二戦目 ゴブリンストーム頼みでダブマリしたけど負け。
××
第四回戦 VS Helmut, Summersberger(UGw Post)
一戦目 相手がギルランアンタップインして《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》撃ったので先手2ターン目18点で勝ち。
二戦目 グダって割と何でもいいタイミングで仕掛けたけど《深遠の覗き見/Peer Through Depths(CHK)》でドローも2枚目の《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》も《差し戻し/Remand(RAV)》もめくれずに止まって負け。
三戦目 お互いワンマリ。《神聖の力線/Leyline of Sanctity(M11)》×2スタートだがG2で見ていたのでゴブリンストーム14体で勝ち。
○×○
第五回戦 VS Samuele, Estratti(Deceiver Twin)(優勝者)
一戦目 先手T5《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(NPH)》でハンド見たら次《否定の契約/Pact of Negation(FUT)》込みで決まるハンドで仕掛けざるをえず、2ドローで《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》引けずに負け。
二戦目 ゴブリンストーム縛りで4マリしたけどまあ負け。
××
◇
不利な双子に2回当たってしまったためにモダンは平凡な3-2で折り返し、ここからはドラフトラウンド。
ちなみに、Draft Simulatorをやりまくった結果M12ドラフトにおける俺のピックは既に完成していて、それは「黒タッチ赤ビート決めうち」である。
ルールは、
・1パック目で黒いクリーチャーを絞る
・マナコストの軽い順にピックする
・目安は生物20体、スペル4枚
・赤のダブルシンボル(《血まみれ角のミノタウルス/Gorehorn Minotaurs(M12)》《焦熱のヘルハウンド/Fiery Hellhound(M12)》など)は基本的にデッキに入らない、《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M12)》だけは例外
・1マナから始まるマナカーブ(4:7:6:3くらいが丁度いい)と、4マナ域の渋滞に特に気をつける
(1パック目)点数上から
《苛まれし魂/Tormented Soul(M12)》
《夜の子/Child of Night(M12)》
《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat(M12)》
《貪る大群/Devouring Swarm(M12)》
《破滅の刃/Doom Blade(M12)》
《グレイブディガー/Gravedigger(M12)》
(《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger(M12)》)
《血怒りの吸血鬼/Bloodrage Vampire(M12)》
このピックをやりすぎて俺の中ではピックに迷う部分がほぼなくなったので、絶対にピックとプレイをミスらないこのアーキタイプを貫徹しよう、と決意してプロツアーに臨んでいる。
さて1stドラフト、同卓は知らない外国人ばかり。
↑のルールで機械的にピックした結果(ピックは全く覚えていない)、以下のデッキが完成した。
2《グレイブディガー/Gravedigger(M12)》
2《稲妻の精霊/Lightning Elemental(M12)》
3《出征路のグール/Warpath Ghoul(M12)》
1《焦熱のヘルハウンド/Fiery Hellhound(M12)》
1《薄暮狩りのコウモリ/Duskhunter Bat(M12)》
1《夜の子/Child of Night(M12)》
1《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton(M12)》
2《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker(M12)》
2《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler(M12)》
1《ゴブリンの長槍使い/Goblin Piker(M12)》
1《苛まれし魂/Tormented Soul(M12)》
2《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger(M12)》
1《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》
1《忌まわしい容貌/Hideous Visage(M12)》
2《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》
1《闇の好意/Dark Favor(M12)》
8《沼/Swamp(M12)》
8《山/Mountain(M12)》
一見よくまとまっているように見えるが、「黒タッチ赤」ではなく「均等黒赤」になってしまっている点で失敗作。上家方面の近くに濃い黒が出来てしまったようで黒の流れがあまりよくなかった。それでも生物20スペル4の最低ラインはクリアしているし、4:8:4:4でマナカーブも悪くない。3-0は難しいが2-1は狙えるデッキ。
もとより、2-1しなければ2日目には残れないのだが・・・
◇
第六回戦 VS Ali, Lax(GBr)
一戦目 先手ダブマリで土地2枚で詰まり、《苛まれし魂/Tormented Soul(M12)》+《闇の好意/Dark Favor(M12)》も《火の玉/Fireball(M12)》で捌かれて負け。
二戦目 《凄腕の暗殺者/Royal Assassin(M12)》《ガラクの大軍/Garruk’s Horde(M12)》《始源のハイドラ/Primordial Hydra(M12)》と並んで余裕負け。
××
第七回戦 VS Taryk, Bayar(GW)
一戦目 普通に勝ち。
二戦目 9/9ワームの返しで《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》除去って《忌まわしい容貌/Hideous Visage(M12)》で勝ち。
○○
第八回戦 VS Romain, Fenaux-briot(WR)
一戦目 後手で《ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger(M12)》→《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker(M12)》→《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker(M12)》で相手赤マナ事故ってて秒殺。
二戦目 また相手事故って平地しか並ばずに勝ち。
○○
◇
なんとか2-1できて初日は5-3、92位で2日目へ。
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Today’s tune
巡音ルカ「Hello, Worker」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15488191
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