実力に見合わないレーティングを得てしまったため(リアルが忙しいというのもあるのだが)、迂闊に公認大会に出られなくなった。何せこのまま維持することができれば、初の日本選手権レーティング招待が見えてくるのである。フェアリーという相棒は手元にあるものの、今のスタンダードは多様なデッキタイプがバランスよく存在し、しかもフェアリーはメタゲームの中心である。勝てる保証はない。ならばこれを機に少しマジックから距離を置いてみるべきではないか・・・何せこのゲームは面白すぎて、距離など置こうと思ってそうそう置けるものではないのだから。


 などと自らの臆病を正当化しつつ、コンセプトである「頭の悪さ」はどこへ行ったのか、「だらだらMTG」らしからぬ賢明な判断である。・・・本当に日本選手権まで維持することが可能ならば、であるが。



 さて、そんな事情もあってしばらくPWCからも足が遠ざかっていたのだが、此度のPWCはチームスタン。そういったしがらみを忘れて存分にマジックが楽しめるチャンスである。


 というわけで年明け早々にりりぃとゆうやんからの誘いを受けてこれに乗ったのだが、三人のデッキを決めるに際し、滅多にないフォーマットであるからには奇抜なアイディアで観衆の度肝を抜きたいという芸人根性もといショーマンシップが働いて、なかなか各人のデッキを決めることができない。


 「なんとかなるでしょ」という魔法の一言で思考停止に陥った我々は、大会一週間前に迫りようやく危機感からチームのコンセプトを決める作業を開始した。


 最初はりりぃにターボフォグを使ってもらって、俺とゆうやんもなんか訳の分からないコンボデッキを使うつもりでいたが、実用レベルのコンボデッキがあと2つどうしても組めなくて挫折。続いてりりぃの「やっぱ全員単色、かせめて単色タッチαでしょ」という発言により、全員青単(親和、マーフォークorフェアリー、ライブラリアウト)や全員緑単(親和エルフ、ハンマータイム、緑単ステロ)などが俎上にのぼったが、前者は青命令被りがどうしても回避できず、後者はアイディアの段階で却下され(もうちょっと検討してもよかった)、全員白単と全員黒単は論外であることから、やはり全員赤単タッチαが丸いのではないか、という結論に落ち着いた。


 まずはゆうやんに最強のBlightning Redを組んでもらい、りりぃには使い慣れたシャーマンをやはり最強の形で組んでもらう。俺は一番弱いデッキで構わなかったから、余ったパーツでどうにかして少しでも多くの勝ち星をあげることを目標にデッキを組むという形。


 パーツ被りなどしないようにメッセンジャーで討議を重ね、さらにはニコニコで配信されているアニメ「Candy☆Boy」をメッセ上で三人で実況することでチームワークを高め、今ここに優勝候補筆頭と目される天下無双の最強チームが完成と相成った。


 チーム名:Candy Boyz
A:りりぃ(赤タッチ緑白シャーマン)
B:ゆうやん(Blightning Red)
C:まつがん(余りものRed)


 そして俺の使用する余りものRedは以下である。


 『かなちゃん』
4《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》
4《モグの狂信者/Mogg Fanatic(10E)》
2《炎族の刃振り/Flamekin Bladewhirl(LRW)》
3《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger(SHM)》
4《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》
4《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》
4《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》
4《タール火/Tarfire(LRW)》
1《つっかかり/Lash Out(LRW)》
2《穿刺破/Puncture Blast(EVE)》
4《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》
4《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge(10E)》
4《岩だらけの大草原/Rugged Prairie(EVE)》
16《山/Mountain(SHM)》

4《絵描きの召使い/Painter’s Servant(SHM)》
4《混沌とした反発/Chaotic Backlash(EVE)》
4《安楽死/Mercy Killing(SHM)》
3《ごたごた/Hurly-Burly(LRW)》


 マジックを、舐めているのか。


 マジックを、舐めているのか。(大事なことなので二回言いました


 だが、ちょっと待って欲しい。一見クソデッキのように見えて、実はこれは高度に戦略性のある、立派なクソデッキなのである。


 何がクソなのかというと、まずこのメインボードで一本目か二本目、どちらか先手をとった方でなんとかして一本取る。先手なら相手がクソ事故ればワンチャンス勝てる、そこに焦点を絞った構成である。一本取ったら、満を持してクソサイドボード15枚を一挙に投入。中途半端なクソスライからおもむろにクソ絵描きバックラッシュへと変貌を遂げたことにより慌てふためくクソ対戦相手を尻目に14点くらい叩き込んで祝☆クソ勝利といったクソ按配である。もう一度言おう、マジックを、舐めているのか。


 あまりに興奮して下品な単語を頻出させてしまったが、あえて言おう、クソであると。




 参加者111名、参加チーム37チームはスイスドロー七回戦。7-0まで駆け抜ける!!とは間違っても言えない、苦行の幕開けであった。


第一回戦 VSフェアリー                   2-0
A:青命令抜きQuick’n Toast(委員超)
B:白赤トークンヒバリ
C:フェアリー
一戦目 相手が後手ダブマリ。しかも沼1枚で止まってまぁ勝ち。
In
15クソ
Out
4《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》
2《炎族の刃振り/Flamekin Bladewhirl(LRW)》
4《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》
4《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》
1《タール火/Tarfire(LRW)》
二戦目 相手が先手4マリ。さすがに勝っただろと思いきや3ターン目に《苦花/Bitterblossom(MOR)》貼られただけで普通に負けそうになる。がリソース差でなんとか勝ち。


 りりぃが負けるもゆうやん勝利でチーム勝ち。1-0-0


第二回戦 VS緑黒エルフ                    1-2
A:白単騎士
B:青黒赤マネキン
C:緑黒エルフ
一戦目 《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher(LRW)》に対し果敢にアタックに行く《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》の奮闘もあって無事敗北。
二戦目 相手トリマリ。それでも余裕で負けそうになるが《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》3枚がさすがに強くてなんとか勝ち。
In
14クソ(1ごたごた残し)
Out
4《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》
4《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》
4《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》
2《炎族の刃振り/Flamekin Bladewhirl(LRW)》
三戦目 相手先手で《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(10E)》→《護民官の道探し/Civic Wayfinder(10E)》→《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(LRW)》→土地アンタップで《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher(LRW)》(《眼腐りの終焉/Eyeblight’s Ending(LRW)》見せ)というブンで余裕負け。


 三人負けでチーム負け。1-1-0


第三回戦 VS白赤キスキン                 2-0
A:緑黒エルフ
B:Quick’n Toast
C:白赤キスキン
一戦目 こちら後手、相手ワンマリ。相手の土地が詰まって、《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》蘇生する余裕があって押し切る。
In
14クソ(同上)
Out
4《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》
4《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》
4《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》
2《炎族の刃振り/Flamekin Bladewhirl(LRW)》
二戦目 お互いワンマリ。《絵描きの召使い/Painter’s Servant(SHM)》が《平和な心/Pacifism(10E)》され、《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》を《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》で相殺した後、《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》まで辿りつくがこれには即《平和な心/Pacifism(10E)》。《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain(LRW)》に殴られていたので火力持ってないプランで《混沌とした反発/Chaotic Backlash(EVE)》ぶっぱしたら持たれてなくて16点ぴったり削って勝利。


 りりぃ負けもゆうやん勝ちでチーム勝ち。2-1-0


第四回戦 VS白赤トークンヒバリ              0-2
A:フェアリー
B:緑黒エルフ
C:白赤トークンヒバリ
一戦目 先手山1、ぼろ布ぼろ布モグファナタール火地獄雷とかでキープして、土地引き込めず負け。
In
15クソ
Out
4《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》
4《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》
4《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》
2《炎族の刃振り/Flamekin Bladewhirl(LRW)》
1《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》
二戦目 《絵描きの召使い/Painter’s Servant(SHM)》が《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》で除去られて、2枚目を引き込めず《混沌とした反発/Chaotic Backlash(EVE)》が腐って負け。


 りりぃ勝ちもゆうやん負けでチーム負け。2-2-0


第五回戦 VSフェアリー(WinterOrz)            0-2
A:白赤キスキン(ヰチ)
B:青命令抜きQuick’n Toast(じあき)
C:フェアリー(WinterOrz)
一戦目 先手ワンマリ、4ターン目の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》を《砕けた野望/Broken Ambitions(LRW)》されて負け。
二戦目 ぶん回ってライフ1まで削るがそこから全部捌かれて負け。


 りりぃ負け、ゆうやん勝ちでチーム負け。2-3-0


第六回戦 VS5色PWコン                  0-2
A:Blightningシャーマン
B:キスキン
C:5色PWコン
一戦目 お互いワンマリ、クロック全部捌かれて《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum(ALA)》までつながれて負け。
二戦目 先手ワンマリ、ビートして相手土地が1ターン詰まるが《炎渦竜巻/Firespout(SHM)》に日和って生物温存したら相手3マナアクションが《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》でそこから《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》で捌かれて、惜しいところまでいくもアジャニ維持されて負け。日和ったのが敗因だった。


 りりぃ負け、ゆうやん勝ちでチーム負け。2-4-0


第七回戦 VSQuick’n Toast               0-2
A:緑黒エルフ
B:白単キスキン
C:Quick’n Toast
一戦目 《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac(SHM)》→《火花の精霊/Spark Elemental(10E)》→《地獄の雷/Hell’s Thunder(ALA)》と軽快なビートダウンも返しの《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk(ALA)》の登場に対し突っ込んでいくしかない2/1の憐れな姿に思わず涙がこぼれるわけもなく負け。
二戦目 相手ワンマリ、だが《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk(ALA)》3枚引かれてそもそも《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》で起きなくする以外火力1枚でどうしようもないのにそんなことされて勝てるはずもなく。


 りりぃ負け、ゆうやん勝ちでチーム負け。2-5-0




 というわけで優勝候補筆頭の我々は2-5(笑)で惜しくも優勝を逃したのであった。いやー惜しかった。最終戦勝てばね・・・あと二回戦目と四回戦目と五回戦目と六回戦目を勝ってれば優勝だったんだけどな・・・実に惜しい。


 個人成績は、
A:りりぃ(1-6)
B:ゆうやん(5-2)
C:まつがん(2-5)

 と一人ゆうやんが気を吐いたが、俺とりりぃは・・・いや、もう何も言うまい。


 そして我々はいつの日かこの日の屈辱を晴らすべく再戦を誓うのであった。


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 Today’s tune

hi-posi「ジュンスイムクノテクニシャン」(アイマスMAD)

http://jp.youtube.com/watch?v=6QEg-GrjyHA

コメント

シミチン
2009年1月19日0:01

ひさびさのだらだらMTG最高っすwww

nophoto
BlackMaster
2009年1月21日0:11

このデッキならまだ不治のオーガに魂の火とかエルズペスの方がw

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