チームスタンダードに出よう!
2008年1月11日 読書
ISBN:4048738119 単行本 米澤 穂信 角川書店 2007/10 ¥1,470
事の発端は2007年、Finals終了後の打ち上げまでさかのぼる。話せば長くなるのだが、
AKKA・ナベ「年明けのPWCでチーム戦一緒に出ようぜ!」
まつがん「いいだろう」
長くはならなかった。
ともあれ、こうして草の根の帝王・AKKA、RoY2007・ナベという二人のビッグネームに(知恵が)遅れてきた天才・まつがんが加わり、ドリームチーム完成と相成った。本来なら明らかに名前負けしている俺がわざわざ二人の足を引っ張りに加わる理由は全くないはずなのだが、二人が是非にと言うので末席に・・・
AKKA「あ、まつがんがチームリーダーだから」
ナベ「好きなデッキ使っていいけどちゃんと勝ってね」
・・・マジ?
ここで突然、2006年5月に思いを馳せる。PTQチャールストン、フォーマットはチームスタンダード。アオキとノホシ君とともに千葉で権利を獲得したあの時は、神河−ラヴニカ環境だった。当時の俺たちはハートビート・白黒スピリットクラフト・ハウリングオウルの三つを選択して決勝で青赤トロン・グルールビート・ハートビートのナベ・AKKA・IRを下した。その二人と今チームを組むというだけで感慨深いものがあるが、今は別のことに注目したい。すなわち、チームスタンにおけるソリューションとは何かということである。
チームスタンダードは、同一チーム内でカードプール共有(同じカードが4枚までしか使えない)という特殊な制限があるため、自ずと色がばらける。通常の個人戦スタンダードにおけるソリューションが何であれ、そのデッキを三つ持ち込むようなことはできないし、またデッキの色やコンセプトは全く違ってもデッキの核となるカードが共通してしまえばその二つは両立しないのである。
GP浜松の直後であった当時はチームスタンにおいても既にメタゲームが定義できる状況であったが、この環境においては初めてのチームスタン、誰しもがまっさらな状態である。メタゲームなくしてソリューションありや、などといった話をここでするつもりもなく、ここでの「ソリューション」はすなわち、「最も勝率の高いデッキ選択」を指し示すと考えていただきたい。
では勝率をいかにして上げるか。ここでそのための指標と考えられたのがデッキパワーである。メタゲームが定義できないとはいっても、個人戦スタンダードにおいては、Finals直後ということで環境はある程度固まっている。緑黒エルフ、赤緑ビッグマナといったデッキは、メタゲームの中心にいながら勝ち上がってきたという意味でそのポテンシャルも証明済みであり、これらを全く使わない組み合わせは必然的にデッキパワーを落とさざるをえなくなるだろう。しかし逆に、この二つを同時採用することはできない。《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(LRW)》と《樹上の村/Treetop Village(10E)》が被ってしまっているのだ。ガラクは2:2でもなんとかなるが、樹上の村はデッキパワーを落とさない構築をする上でどちらにもなくてはならないカードである。
この段階でソリューションとはデッキパワーの最大値をとる組み合わせである、と再構成された。すなわち、「チームスタンなんだからキスキンとかドラゴンストームでもいいよね」ではなく、「チームスタンだからこそ、個人戦スタンで通用する一線級デッキを三つ揃えることが王道」という考えである。なんてこった・・・キスキンもドラゴンストームも使えないのか・・・
他の二人は俺がデッキ選択とかでエンタテインメント的に自由な立ち居振る舞いをした上でなお勝利するというシナリオを描いていたようだが、俺の勝利も計算に入っている時点で中途半端なことはしたくなかった。
勝率の最も高い三つのデッキ・・・しかもカードが競合しない・・・を見つけ出すため、年末はAKKAさんとのメール交換が続いた。そしてその中で、一つの確信が生まれた。やはりAKKAにはエルフを使ってもらいたい。それも最強の・・・《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》、《根絶/Extirpate(PLC)》といった競合しやすいパーツにおいて妥協することのない、現時点で最高のエルフを、である。チーム戦においてビートダウンを採用するということは大きなリスクを伴う。しかし現環境における緑黒エルフは明らかに最強レベルのデッキパワーを誇るし、この環境の始めから培ってきたAKKAのエルフについての知識をわざわざ付け焼刃のデッキで無駄にすることはない、と考えた。
この時点で赤緑ビッグマナ採用の途は閉ざされた。ならば残る二人は何を使うべきか。ゴブリン・・・しかし《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》が使えないのではビートダウンとして不安が残る。ドラゴンストーム・・・カードスロットはほぼ全くといっていいほど競合しないが、安定性に難あり。キスキン・・・自重しろ。もはや悩むことはない。空条承太郎の生まれ変わりと評されるほどの(今俺が決めた)スタープラチナ使い、ナベがいる。そして余った俺は、なんかFinals優勝したやつでいいや。こうして各自(without me)魂のデッキを手に取り、今戦いの幕が開ける!!
事の発端は2007年、Finals終了後の打ち上げまでさかのぼる。話せば長くなるのだが、
AKKA・ナベ「年明けのPWCでチーム戦一緒に出ようぜ!」
まつがん「いいだろう」
長くはならなかった。
ともあれ、こうして草の根の帝王・AKKA、RoY2007・ナベという二人のビッグネームに(知恵が)遅れてきた天才・まつがんが加わり、ドリームチーム完成と相成った。本来なら明らかに名前負けしている俺がわざわざ二人の足を引っ張りに加わる理由は全くないはずなのだが、二人が是非にと言うので末席に・・・
AKKA「あ、まつがんがチームリーダーだから」
ナベ「好きなデッキ使っていいけどちゃんと勝ってね」
・・・マジ?
ここで突然、2006年5月に思いを馳せる。PTQチャールストン、フォーマットはチームスタンダード。アオキとノホシ君とともに千葉で権利を獲得したあの時は、神河−ラヴニカ環境だった。当時の俺たちはハートビート・白黒スピリットクラフト・ハウリングオウルの三つを選択して決勝で青赤トロン・グルールビート・ハートビートのナベ・AKKA・IRを下した。その二人と今チームを組むというだけで感慨深いものがあるが、今は別のことに注目したい。すなわち、チームスタンにおけるソリューションとは何かということである。
チームスタンダードは、同一チーム内でカードプール共有(同じカードが4枚までしか使えない)という特殊な制限があるため、自ずと色がばらける。通常の個人戦スタンダードにおけるソリューションが何であれ、そのデッキを三つ持ち込むようなことはできないし、またデッキの色やコンセプトは全く違ってもデッキの核となるカードが共通してしまえばその二つは両立しないのである。
GP浜松の直後であった当時はチームスタンにおいても既にメタゲームが定義できる状況であったが、この環境においては初めてのチームスタン、誰しもがまっさらな状態である。メタゲームなくしてソリューションありや、などといった話をここでするつもりもなく、ここでの「ソリューション」はすなわち、「最も勝率の高いデッキ選択」を指し示すと考えていただきたい。
では勝率をいかにして上げるか。ここでそのための指標と考えられたのがデッキパワーである。メタゲームが定義できないとはいっても、個人戦スタンダードにおいては、Finals直後ということで環境はある程度固まっている。緑黒エルフ、赤緑ビッグマナといったデッキは、メタゲームの中心にいながら勝ち上がってきたという意味でそのポテンシャルも証明済みであり、これらを全く使わない組み合わせは必然的にデッキパワーを落とさざるをえなくなるだろう。しかし逆に、この二つを同時採用することはできない。《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(LRW)》と《樹上の村/Treetop Village(10E)》が被ってしまっているのだ。ガラクは2:2でもなんとかなるが、樹上の村はデッキパワーを落とさない構築をする上でどちらにもなくてはならないカードである。
この段階でソリューションとはデッキパワーの最大値をとる組み合わせである、と再構成された。すなわち、「チームスタンなんだからキスキンとかドラゴンストームでもいいよね」ではなく、「チームスタンだからこそ、個人戦スタンで通用する一線級デッキを三つ揃えることが王道」という考えである。なんてこった・・・キスキンもドラゴンストームも使えないのか・・・
他の二人は俺がデッキ選択とかでエンタテインメント的に自由な立ち居振る舞いをした上でなお勝利するというシナリオを描いていたようだが、俺の勝利も計算に入っている時点で中途半端なことはしたくなかった。
勝率の最も高い三つのデッキ・・・しかもカードが競合しない・・・を見つけ出すため、年末はAKKAさんとのメール交換が続いた。そしてその中で、一つの確信が生まれた。やはりAKKAにはエルフを使ってもらいたい。それも最強の・・・《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》、《根絶/Extirpate(PLC)》といった競合しやすいパーツにおいて妥協することのない、現時点で最高のエルフを、である。チーム戦においてビートダウンを採用するということは大きなリスクを伴う。しかし現環境における緑黒エルフは明らかに最強レベルのデッキパワーを誇るし、この環境の始めから培ってきたAKKAのエルフについての知識をわざわざ付け焼刃のデッキで無駄にすることはない、と考えた。
この時点で赤緑ビッグマナ採用の途は閉ざされた。ならば残る二人は何を使うべきか。ゴブリン・・・しかし《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》が使えないのではビートダウンとして不安が残る。ドラゴンストーム・・・カードスロットはほぼ全くといっていいほど競合しないが、安定性に難あり。キスキン・・・自重しろ。もはや悩むことはない。空条承太郎の生まれ変わりと評されるほどの(今俺が決めた)スタープラチナ使い、ナベがいる。そして余った俺は、なんかFinals優勝したやつでいいや。こうして各自(without me)魂のデッキを手に取り、今戦いの幕が開ける!!
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