Finals予選@板橋
2007年12月15日デッキが、ない。
ビートダウン最強の型と思われたウーナダウスィーヒッピーが幻想だとわかった以上、俺にもはや打つ手立ては残されていなかった。緑黒エルフ、マネキン、赤緑ビッグマナというTier1勢に立ち向かえるデッキパワーを持ったビートダウン。そんなもの存在するはずがない・・・3/3を基本サイズとして最強の黒命令を連打するか、叫び大口や熟考漂いを想起してマネキンで使いまわすか、ビッグマナはないにしても、俺自身そんなありきたりな選択に身を任せるしかないように思われた。
だが、ちょっと待って欲しい。まだビートダウンの可能性は潰えちゃいない。そう、キスキンだ。ウーナダウスィーなんて所詮2マナスタート、後手なら捌かれて当然。しかしキスキンはなんといっても勇丸こと《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart(LRW)》を擁している。まぁ後手だと大口想起でどっちみち捌かれるけどそれ以前に後手などというのは空想の中にしか存在しないのであってビートダウン使い的には常に先手で当たり前、一本目をダイス勝って圧勝して二本目は後手なのでキングクリムゾン!!だが時を吹き飛ばしても圧敗という結果だけ残る。そして三本目は余裕の先手勝ちという必勝パターン、まさに勝利の方程式。何言ってやがるんだこいつと思った方は圧倒的に時間を無駄にするだけなのでだらだらMTGとか読まない方がいい。論理を通り越した必然、頭の悪さこそがだらだらMTGっていうデッキのコンセプトなのさ。何言ってやがるんだこいつ。
それはさておいて、キスキン。記憶の彼方に置き去りにされたデッキだが、メインでは対緑黒エルフで五分以上のパフォーマンスを誇る。しかも緑黒は環境最速のビートダウンだ(ということにみんなの頭の中ではなっているだろう)からもはやサイドボードに《滅び/Damnation(PLC)》は積まれていない=対緑黒まさかの圧勝という、メタが一周したかのような錯覚を覚えること約二日。そういえば対マネキンはどうしよっか?メイン《滅び/Damnation(PLC)》だしサイド後は《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》か《死の印/Deathmark(10E)》とか積まれるし割と圧敗じゃねこれ?鉄足越えるのも難しいし。終わった。二日も時間を無駄にした。いやだが・・・待てよ?マネキンはいないと仮定すれば・・・いやいないってのは無茶にしてもマネキンは全部3マナで止まると仮定すれば・・・お、意外といける気がする。大したことねーなマネキンとか。よし!キスキンで出よう!
『Rise!』
4《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart(LRW)》
4《ゴールドメドウの侵略者/Goldmeadow Harrier(LRW)》
4《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain(LRW)》
4《皺だらけの主/Wizened Cenn(LRW)》
3《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg(LRW)》
2《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》
4《セラの報復者/Serra Avenger(TSP)》
4《酷寒の枷/Gelid Shackles(CSP)》
3《太陽の槍/Sunlance(PLC)》
4《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》
1《思考の糸のうねり/Surge of Thoughtweft(LRW)》
4《低木林地/Brushland(10E)》
4《地平線の梢/Horizon Canopy(FUT)》
3《宝石鉱山/Gemstone Mine(TSB)》
12《冠雪の平地/Snow-Covered Plains(CSP)》
1《宝石鉱山/Gemstone Mine(TSB)》
3《裂け目掃き/Riftsweeper(FUT)》
3《突風線/Squall Line(TSP)》
4《マナの税収/Mana Tithe(PLC)》
4《グリフィンの導き/Griffin Guide(TSP)》
さらに二日くらいをかけてこの脳内最強のキスキンを生み出した過程は省略するが、理論上はメタ上のどのデッキにも勝てるという妄想の産物である。予選の一日前まではこのデッキで出る気満々であった。だがアオキが適当に作った五色ドランフィンケル稲天ガラク滅び叫び大口デックウィンにすらぼこぼこにされ、俺はここにきてビートダウンの限界を悟ったのだった。
予選は明日・・・時間がない・・・誓約と制約・・・マネキンを使うしかないのか・・・
あっやべ、もう飲み会の待ち合わせ時間だ。デッキ決まってないけどとりあえず飲みながら考えるか。
(5時間後)
俺にはもうドラゴンストームしかないぜ!!
な、なんだよ。今回はいつもの無駄に長い前口上とか破綻した論理の積み重ねとかは無いのか、って?だって本当のことだったんだからしょうがないじゃないか。気がついたら徹カラしてて、何故かドラゴンストーム一択だったんだよ。今までの流れはなんだったんだ。知らねーよ。俺が聞きたい。
寝てない頭でろくに一人回しもしてないドラゴンストームを回せるのか。そもそもサイドボードとか何も考えてないけど大丈夫なのか。そういう根本的な問題とかは全部吹き飛ばしてとりあえずアオキにカード持ってきてもらってその場でデッキ構築。
『The Bluff to God』
4《ドラゴンの嵐/Dragonstorm(TSB)》
4《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite(TSP)》
4《炎の儀式/Rite of Flame(CSP)》
4《睡蓮の花/Lotus Bloom(TSP)》
3《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》
4《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》
4《ショック/Shock(10E)》
2《タール火/Tarfire(LRW)》
4《火葬/Incinerate(10E)》
4《背骨岩の小山/Spinerock Knoll(LRW)》
4《溶鉄の金屑場/Molten Slagheap(TSP)》
4《菌類の到達地/Fungal Reaches(TSP)》
12《冠雪の山/Snow-Covered Mountain(CSP)》
2《命運の輪/Wheel of Fate(TSP)》
4《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》
2《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》
2《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander(10E)》
2《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》
3《十二足獣/Dodecapod(TSB)》
色々ツッコミどころはあると思われるが、その前にそもそも制約と誓約に反しているのではないか?という疑問にお答えしたい。ビートダウンじゃないじゃんこれ。どう見てもドラゴンストームじゃん。いいの?ビート使いの魂的に劣化しちゃうんじゃないの?まぁ落ち着けよ。よく見ろ。このデッキは赤単バーンじゃないか。赤バーン=マジシャンズレッド=Yes, I am!、だろ?よし、OK。何も、問題は、ない。
制約と誓約を柔軟な解釈で乗り越えた今、俺に敵はない!
参加者318名、スイスドロー8回戦。上位16名がFinals本戦の出場権を手に入れる。グランプリ板橋・・・だが何人来ようが関係ないね。俺の魂とお前らの魂じゃ、格が違う!!
第一回戦 VSマネキン 2−1
一戦目 山山山秘匿ショック火葬ぶどう弾をマリガン、山貯めランDSボガヘルタール火ぶどう弾をダブマリ。ヴェンセールで圧敗でした。
サイド・・・In 3《十二足獣/Dodecapod(TSB)》 2《命運の輪/Wheel of Fate(TSP)》 Out 3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》 1《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》 1《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
二戦目 ノーランドでワンマリ、山山山貯めランドデカドデカを決死の思いでキープ。相手が4ターン目に《嘆きウェルク/Mournwhelk(LRW)》してきて圧勝。
三戦目 儀式儀式火葬ぶどう弾から秘匿DSで後手3キルできたのに気づかないでエンドして相手にヴェンセールのチャンスを与えてしまうが持たれてなくて後手4キル。
第二回戦 VS同型(azabuさん) 1−2
一戦目 後手、相手が5ターン目に決められなくて返しで5キル。
サイド・・・In 2《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》 Out 2《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》
二戦目 相手トリマリ、こちら7枚キープなのだがボガヘルとかDSを引きまくって全然決められず逆に相手は無駄ヅモなしで《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》で死亡。
三戦目 ダブマリ、儀式儀式を抱えて《ドラゴンの嵐/Dragonstorm(TSB)》待ちの状態だが先に相手に決められ死亡。
第三回戦 VS青単ガイル 2−1
一戦目 ロータスを《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》されて《狡知/Guile(LRW)》→《狡知/Guile(LRW)》とアグロに動かれるも返しで決められず圧敗。
サイド・・・In 4《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》 2《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》 Out 3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》 3《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
二戦目 1ターン目にゴブリン6体並べて勝ち。
三戦目 貯めまくって《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》→《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》で勝ち。
第四回戦 VS緑黒エルフ 2−1
一戦目 相手がリスト記入ミスでゲームロス。
二戦目 ハンドにDSがあるからって謎に秘匿ランドにヘルカイトを秘匿しないハイパープレイングミスがあって盤面を制圧できずに負け。
三戦目 適当なハンドキープして土地引かないと負けっていう状態になるもなんとか引けてDSで勝ち。
第五回戦 VS青黒白ネームレスハーコン(キムタク)0−2
一戦目、二戦目ともにドローが8割方土地という驚異的なドローで圧敗。
第六回戦 VS青黒赤コン(ヒロマサ君) 2−0
一戦目 素出しヘルカイトがカウンターされずそのまま15点削って火力で勝ち。
サイド・・・In 4《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》 2《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》 Out 3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》 3《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
二戦目 秘匿から《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》で12体くらいトークン並べて《滅び/Damnation(PLC)》されず勝ち。
第七回戦 VSマネキン(KAKAO) 1−2
一戦目 結構プレイング頑張ったんだけど《遅延/Delay(FUT)》→《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》→《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin(LRW)》×3→《遅延/Delay(FUT)》って引かれてて圧敗。
サイド・・・In 3《十二足獣/Dodecapod(TSB)》 4《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》 Out 3《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》 4《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》
二戦目 ドラゴン三体出しといた。
三戦目 相手がワンマリから集会場集会場マンタデュレスでキープしてきっちり黒マナ引かれて色々頑張ったけど負け。
第八回戦 VS赤単バーン 2−0
一戦目 相手ワンマリで、こちら先手5キル。
二戦目 お互いワンマリ、ギリギリまで貯めて《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath(FUT)》《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》で勝ち。
圧倒的に格下でしたね。5−3とか平凡もいいところだ。やっぱドローがないコンボデッキはネタバレしてるときつかったか。冷静に。そりゃ知ってたさ。ただデッキはすごく気に入ったので翌日もこれで突っ込む決意を固める。なんでだよ。しょうがない。魂レベルのマゾだからしょうがない。
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