しかしここで俺は考えた。ビートとコントロールにそれぞれ7枚サイドをすると仮定して、《ロノムの一角獣/Ronom Unicorn(CSP)》と《解呪/Disenchant(TSB)》はコンパチでコントロール対策、ということは4+7+7=18でサイドボードの枚数を3枚オーバーしてしまうのである。以前のレシピではパッセージ3のヴェク2密使2でビート7枚、コントロールは石の雨4ロノム4で8枚でバランスが取れていたが、《解呪/Disenchant(TSB)》の使用に踏み切った以上はこの構成を見直す必要がある。もちろん《解呪/Disenchant(TSB)》とロノムをどっちも入れるマッチアップだってあるのだが、《石の雨/Stone Rain(9ED)》や《氷結地獄/Cryoclasm(CSP)》の方が欲しいコントロールがあるのもまた事実である。

 もっとも、最大の敵である青赤トロンに対してはパッセージ3の解呪4で解決している。ビートダウンに強いという印象の《名誉の道行き/Honorable Passage(TSB)》だが、青赤トロンの《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite(TSP)》を弾き返す頼もしい刀でもある。現状のレシピだとルサルカとアイケイシアはトロン相手には何の役にも立たないわけだし・・・


 と、そこまで考えたところで時の詩人から何気ない、しかし衝撃的な一言を受け取った。




 時の詩人「ビートダウンと青赤トロンとドラゴンストームの三すくみならパッセージメインでいいのでは・・・」




 それだ。


 サイドボード3枚オーバー・・・青赤トロンにも効くパッセージ・・・いまいちカードパワーの低い《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka(GPT)》も3枚・・・この符合たるや、まさに天啓か。

 こうして《名誉の道行き/Honorable Passage(TSB)》はメインにおさまり、サイドボード18枚問題は解決した。ビート相手は4枚サイドを割けばよく、残った11枚を(4+4)+3で解呪orロノムの7枚サイド二択・・・完璧だ。




 さて、残るは二点。まず一点はコントロール相手に必ずサイドインされる3枚のスペースである。「必ず」とはいっても、青赤トロン相手にはメインのパッセージがサイド後もそのまま維持されるわけだから、より具体的には「《名誉の道行き/Honorable Passage(TSB)》が効かないコントロール相手に必ず」ということになる。名誉の道行きが効かないということは、赤くないということだ。そのようなコントロールの典型は・・・そう、太陽拳である。千葉勢が好んで使っている印象があるが、前環境における最強のコントロールであり、そのコンセプトは健在である。とすれば、太陽拳系に最もよく効くサイドカードを選ぶべきであろう。元よりこのデッキは既に同型、青赤トロンはケアしているのだから、あとはせいぜい太陽拳くらいかといった安直な思考もないではなかった。ということで、ありきたりながら《氷結地獄/Cryoclasm(CSP)》をチョイスした。《名誉の道行き/Honorable Passage(TSB)》と《氷結地獄/Cryoclasm(CSP)》でコンパチというのはいかにも見た目が美麗であるという個人的な趣味嗜好によるものだが、赤くなかったら青か白だろうというのは今の環境において必ずしも間違ってはいないだろう。

 しかし、結果的にはこの3枚のスペースだけが調整不足だった。シミチンの開発した例のデッキに対して、氷結地獄ではあまりにも役不足だったのである。





 それはともかく、最後に残る一点はビート相手の4枚のサイドである。ボロス同型は練習がモノを言うため、並大抵のボロス使いには負けない自信はあった。しかしどれだけプレイングに気をつけようが絶対的圧倒的な真実があって、それは先手超有利の原則である。

 普通のクリーチャーデッキ同型ならば、例えばZOOの同型ならば、互いの3/3を互いの3点火力で焼きあって、まぁサイドからは大抵《狩りの興奮/Thrill of the Hunt(TSP)》が入るだろうけども、結局のところ生物を生き残らせ、コストなしでダメージが入る魔法の呪文「アタック」によりライフを削ることになる。つまり火力より生物の方が価値が高く、サイド後は大抵効率が悪く3点でも4点でもあまり変わらない《黒焦げ/Char(RAV)》をサイドアウトすることだろう。

 もちろんボロス同型においてもそれは一緒で、火力より生物の方が価値は高い。というか、むしろ高すぎるのである。先手2ターン目に出した《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus(TSP)》はマナの関係上確実に4点稼ぐし(返しで後光の騎士を出されてもブロックはできず、3ターン目はマナを立たせてこちらにターンを返せばこちらは4マナになるので2マナ火力で落とせる)《サルタリーの僧侶/Soltari Priest(TSB)》は相打ちもしくは《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》を出してしかも返しで相手に焼かれないというシビアな前提をクリアしなければ殺せない。その《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》も、相手が先に《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》を出していたらもうプレイすらできないのである。そして最大最強の難関として、《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge(GPT)》に至っては、先にブロッカーのいない状態で通したら(プリーストにぼこぼこ殴られているパターン以外は)勝ち確定という、先手に有利な要素しかないのがボロス同型というマッチアップなのである。

 その《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge(GPT)》のケアがボロス同型の一大テーマなのだが、実はこれだけなら話は簡単で《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec(9ED)》を4枚積めば済むのである。《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers(TSB)》を2枚使わなければ絶対に触ることが出来ないこの聖騎士が立ってさえいれば相手のヒヨケムシは一瞬でゴミと化す。なんだ解決してるじゃないかと言われてもしょうがない。ボロス同型だけ考えるなら、ヴェクパラが最強であり、万全万能の鉄壁で間違いない。

 では、何の不満があるというのだろう?


                     ?へ続く→

コメント

nophoto
ニックネーム無し
2007年2月16日22:48

passegeてビート対決でサイドインするもんなの?
ワールドのときは誰もしてなかったよ?

まつがん
まつがん
2007年2月17日0:45

正確にはボロス側が、赤いデッキに対してだけ。

ボロス同型だと互いのヒヨケをケアするゲームになるから、生物少な目のハンドとか相手がインスタント火力(ていうからせん)多めに引いてる場合でも2マナでケアできる(とはいえこっちにもプリーストとかクロックがなかったらあんまり意味ないけど)のはでかい。

他の赤いビートとのマッチアップだと生物の焼きあいになるのは必至だから、相手のテンポ崩して生物守れるのはチャーより強い。

「ワールドのとき誰もしてなかった」というのはワールドの試合を見た上で言ってるのかワールドのレシピの話をしているのか知らないけど、後者なら5−1以上してるボロスでパッセージ積んでないのはトモハルボロスだけ(それも《崇拝/Worship(9ED)》で勝つプランだから)だし、前者なら例えば6−0のWilly Edelやda Rosaのボロスのレシピを見る限りでは赤いデッキに対してサイド後はルサルカ抜いてパッセージを入れるのが自然に見える。

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