ダービー兄

2005年5月28日 読書
ISBN:4344805593 コミック スズキ ユカ 幻冬舎 2005/05/24 ¥735





 タイトルとは全く関係なく、今日はサークルのOB二人と後輩一人と4ドラを4回もやってドラフト食傷気味。まぁ楽しいからいんだけどw

 その後詩人、汗、つかぽんと麻雀。1−1−3−2で+4k。


 私。

 私の部屋。本棚。ベッド。デスク。

 私は、部屋にいる。

 そして「それ」は、そこに在った。ふわふわと、ゆるやかに。

 事実としてそこに居るのに、何故だか存在の程度が曖昧なのだ。

 ともあれ、私は「それ」に接触を試みる。

 「聞こえているなら、返事をくれ」

 「聞いていますわ」

 「それ」が返事をした。どうやら、言語を解すらしい。

 「君は、女性なのか?」

 そう聞いた途端、「それ」が女性としての態様・・・女らしさとも言うべきものを帯びたのが、はっきりと感じ取れた。

 「そう認識されたのなら。」

 「・・・?」

 私の目の前にいるこの「女性」は、私の部屋より幾分濃くなった・・・もっともそれは私の感覚にそう訴えかける何かがあったというだけに過ぎないのかもしれないが。

 しかし、不思議なのは私の部屋である。まるで夢の中にいるみたいに、焦点の合わない輪郭のぼやけたドア、クローゼット、時計・・・立体映像のように、不可思議な透明感さえ感じられる。

 私は思い切って聞いてみることにした。

 「ここはどこだ?私の部屋ではないのか?」

 彼女からの返答の代わりに、私の部屋として認められていた風景の全てが崩れ、今はどこまでも広がる闇だけが感じられる。

 無限に続く黒色の中で、急に自分というものがあやふやになったような、そんな錯覚・・・今となってはそれすら事実だったとわかるのだが、そういった中で恐怖の念が膨れあがって、一刻も早くここを出たい、出なければならないという情念に駆られた。

 「私は何故ここにいるんだ?ここから出してくれ!君は・・・」

 言いかけて、急速に彼女が遠ざかっていくのが感じ取れた。

 そして、捩れ、歪み、軋み、崩れていった。

 気が付けば私はベッドで寝ている自分を意識していた。

 発せられるはずだった最後の問いは、かすかに振動の感触だけ喉に残っているようだった。

 だが、それについてはもう何も言うまい。

 問えば彼女は永久に失われてしまうだろう。

 そして、あるいはヒトが皆生きている間は抱える運命にある質問に対する、答えそのものだったのかもしれない。

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