赤黒総論
2005年3月9日 詩人から「赤黒の戦術論でも書けば?」とか言われたので、気合を入れて書き始めたらいつの間にかあれよあれよとあんな方向でしかも筆がサクサク進むのでそのまま書き上げちゃいました。
では改めてブースタードラフト、物語×2、謀叛×1環境における赤黒というアーキタイプについて考察したいと思います。
赤黒はアドバンテージを無視し本体にいかに素早くダメージを与えられるか・・・という赤単バーンのようなクレイジーなデッキとは違い、アドバンテージをそんなに失わない程度にテンポを取りつつ、最大限のダメージをたたき出すデッキです。これ意外と普通のデッキじゃね?まぁドラフト環境でそんな突飛なデッキは思考の鈍化デッキでもなければないわけで。普通にクリーチャーを並べて殴る以上、本質は他のアーキタイプとそんなに変わらないわけです。
「テンポ」という概念、いまだにおいらには正しい定義の説明ができないのですが、おいらはこう解釈しています。「15→12→9→・・・」という3点クロックと、「20→16→12→・・・」という4点クロック、どちらが早く相手を殺せるか?周辺的事情を考慮しなければ、この場合は先攻側が勝ちますね。では4点クロック側が1ターン何らかの事情で止まってしまった場合は?これは明らかに3点クロックが勝ちます。つまりテンポとは、絶え間なく刻まれるダメージクロック、その展開についての優劣を言うものなのです。まさに時間、1ターン相手の動きを阻害すれば3点クロックが早く相手を殺せるようになる。ですからお互いライフ20の時に相手のチンネンを未達の目で戻してこっちが1/1で殴りにいったとしても、それはテンポを取ったことにはならないわけです。そのあとでパワー3くらいのクリーチャーを展開できればまぁ取ったと言ってもいいでしょう。まぁつまりその、なんだかよくわかっていません。教えてエロイ人!
さて上の最初の例では、3点クロックと4点クロックという明らかな違いがあるのに、3点クロックが勝つ可能性があるわけです。なぜか?もちろんスタート地点が違うからですね。スタート地点がズレていることを知っていれば、4点クロック側が「自分は先に負けるであろう」ことを考慮してブロックに回ることだって考えられるわけです。ですが、スタート地点がズレていることを知らなかったなら?この「潜在的なズレ」を作り出す要因を3点クロック側が持っていたなら、4点クロック側は「自分が先に勝つであろう」ことを信じてクロックを続けるでしょう。つまり「テンポを取っているようで実は取ってない」この状態をいかに作り出すか、いかに相手がテンポを自分が取っているような錯覚に陥らせるかが肝です。
3点クロッ君「ライフ14です」
4点クロッ君「ライフ12です」
4点クロッ君「(このままいけば相手10→オレ9→相手6→オレ6→相手2→オレ3→相手0でオレの勝ちだ!)」
3点クロッ君「ライフ10」
4点クロッ君「ライフ9」
3点クロッ君「ライフ6」
4点クロッ君「ライフ6」
3点クロッ君「ライフ2、自分のターンに殴って撃ち込み」
4点クロッ君「Σ(;゜Д゜)ガーン」
まぁこれは撃ち込み以外お互い何も持っていないという前提に基づいた超シンプルな例なので実戦ではこんなうまくいきませんし、相手も3点分くらいは余分に計算に入れて殴ってきているでしょう。要するにここではある種超低次元レヴェルで撃ち込みの強さを語ったに過ぎません。
ここで赤黒を作る上で重要ないくつかのファクターを紹介しておかねばなりません。
ドラフト巧者は中盤以降カードをピックする段階で自分のデッキの完成形をイメージし、足りない部分を残りのピックで補うと言いますが、まさにそれを徹底してやる。ただひたすら自分のデッキを完成させるためだけにドラフトをするわけです。詩人曰く「自分のデッキがゴッドで相手のデッキがゴッドなら自分のゴッドな赤黒が絶対勝つ」という思考のもとで赤黒のピックは成り立っているんだそうな。つまりこの理論に従えばカットはほぼ0。そしてこういっておけば初手溶岩の撃ち込みや3手目悪忌の雪崩使いが正当化されるわけです。
そしてマナカーブもまた大事です。ドラフトにおいてマナカーブとは赤黒かそうでないかを問わずまさに核、バスケにおけるリバウンドのような存在なのです。特に赤黒においては1マナからスタートすることが実は重要で、直接的なアタック・ブロックのガチンコが発生しにくい最序盤でダメージを稼いでくれる優秀な1マナ圏は非常に重宝すること間違いなしなのです。現環境における1マナ圏の選択肢などは各論に回すとして・・・
最後に、赤黒において大事なのはテンポの例で見てきたような「スタート地点をずらす」こと。でもずれているのはスタート地点である必要はないわけで、つまりそれはゴールがずれていても構わない、すなわちエンドカードの存在。相手のライフ10が射程圏だとしたら、こちらは「まだライフ10切ってないし余裕だろ」と思っている相手の20点のライフを10点だけ削ってやればいいことになります。だから貪る強欲が強いんですね。しかしこの役割を果たすのは何も貪る強欲だけではない。貪る憤怒、影の舞いなどは強欲と同様生物に依存しますが強力なエンドカードです。同様に思考の猛火はレアですが8点一気に削れる(ただし「可能性」なので若干期待値は低いが) そして溶岩の撃ち込み、血の手の炎はズレ幅は小さいですがそもそもドラフトで生物の攻撃が通らない状態なら誰も負けるなどとは考えない。そんな間隙を縫って勝利を狙える可能性があるだけでも、価値を見出せると思います。
なんだか赤黒総論どころか「ドラフトにおける本体火力総論」になった気がしますが、とりあえず最後に決め打ちについてコメントして締めくくりたいと思います。
ドラフトにおいて、それが本来的な意味での決め打ちならば最低の行為ではないでしょうか。それはカードプールの濃さ、他者のピックといったドラフトの戦術的な要素を全否定しているわけで。しかし南の樹の木霊と貪る強欲の二択で後者を取ったとしても、それは決め打ちとは一概には言えないはずです。単に貪る強欲の方が点数が高いのかもしれないし、あるいはこの環境において赤黒をやる限り負ける気がしない、とそう思っているのかもしれない。勝率が高いやり方を取っているとするならば・・・あるいは、決め打ちに近くなるとしても仕方のないことではないでしょうか(いや、仕方なくないだろ
なお自分でもよくわかってないピックを推敲とかせず根拠づけしようという無謀な試みですので矛盾とかツッコミとかはスルーします。
→各論へ続く・・・?
では改めてブースタードラフト、物語×2、謀叛×1環境における赤黒というアーキタイプについて考察したいと思います。
赤黒はアドバンテージを無視し本体にいかに素早くダメージを与えられるか・・・という赤単バーンのようなクレイジーなデッキとは違い、アドバンテージをそんなに失わない程度にテンポを取りつつ、最大限のダメージをたたき出すデッキです。これ意外と普通のデッキじゃね?まぁドラフト環境でそんな突飛なデッキは思考の鈍化デッキでもなければないわけで。普通にクリーチャーを並べて殴る以上、本質は他のアーキタイプとそんなに変わらないわけです。
「テンポ」という概念、いまだにおいらには正しい定義の説明ができないのですが、おいらはこう解釈しています。「15→12→9→・・・」という3点クロックと、「20→16→12→・・・」という4点クロック、どちらが早く相手を殺せるか?周辺的事情を考慮しなければ、この場合は先攻側が勝ちますね。では4点クロック側が1ターン何らかの事情で止まってしまった場合は?これは明らかに3点クロックが勝ちます。つまりテンポとは、絶え間なく刻まれるダメージクロック、その展開についての優劣を言うものなのです。まさに時間、1ターン相手の動きを阻害すれば3点クロックが早く相手を殺せるようになる。ですからお互いライフ20の時に相手のチンネンを未達の目で戻してこっちが1/1で殴りにいったとしても、それはテンポを取ったことにはならないわけです。そのあとでパワー3くらいのクリーチャーを展開できればまぁ取ったと言ってもいいでしょう。まぁつまりその、なんだかよくわかっていません。教えてエロイ人!
さて上の最初の例では、3点クロックと4点クロックという明らかな違いがあるのに、3点クロックが勝つ可能性があるわけです。なぜか?もちろんスタート地点が違うからですね。スタート地点がズレていることを知っていれば、4点クロック側が「自分は先に負けるであろう」ことを考慮してブロックに回ることだって考えられるわけです。ですが、スタート地点がズレていることを知らなかったなら?この「潜在的なズレ」を作り出す要因を3点クロック側が持っていたなら、4点クロック側は「自分が先に勝つであろう」ことを信じてクロックを続けるでしょう。つまり「テンポを取っているようで実は取ってない」この状態をいかに作り出すか、いかに相手がテンポを自分が取っているような錯覚に陥らせるかが肝です。
3点クロッ君「ライフ14です」
4点クロッ君「ライフ12です」
4点クロッ君「(このままいけば相手10→オレ9→相手6→オレ6→相手2→オレ3→相手0でオレの勝ちだ!)」
3点クロッ君「ライフ10」
4点クロッ君「ライフ9」
3点クロッ君「ライフ6」
4点クロッ君「ライフ6」
3点クロッ君「ライフ2、自分のターンに殴って撃ち込み」
4点クロッ君「Σ(;゜Д゜)ガーン」
まぁこれは撃ち込み以外お互い何も持っていないという前提に基づいた超シンプルな例なので実戦ではこんなうまくいきませんし、相手も3点分くらいは余分に計算に入れて殴ってきているでしょう。要するにここではある種超低次元レヴェルで撃ち込みの強さを語ったに過ぎません。
ここで赤黒を作る上で重要ないくつかのファクターを紹介しておかねばなりません。
ドラフト巧者は中盤以降カードをピックする段階で自分のデッキの完成形をイメージし、足りない部分を残りのピックで補うと言いますが、まさにそれを徹底してやる。ただひたすら自分のデッキを完成させるためだけにドラフトをするわけです。詩人曰く「自分のデッキがゴッドで相手のデッキがゴッドなら自分のゴッドな赤黒が絶対勝つ」という思考のもとで赤黒のピックは成り立っているんだそうな。つまりこの理論に従えばカットはほぼ0。そしてこういっておけば初手溶岩の撃ち込みや3手目悪忌の雪崩使いが正当化されるわけです。
そしてマナカーブもまた大事です。ドラフトにおいてマナカーブとは赤黒かそうでないかを問わずまさに核、バスケにおけるリバウンドのような存在なのです。特に赤黒においては1マナからスタートすることが実は重要で、直接的なアタック・ブロックのガチンコが発生しにくい最序盤でダメージを稼いでくれる優秀な1マナ圏は非常に重宝すること間違いなしなのです。現環境における1マナ圏の選択肢などは各論に回すとして・・・
最後に、赤黒において大事なのはテンポの例で見てきたような「スタート地点をずらす」こと。でもずれているのはスタート地点である必要はないわけで、つまりそれはゴールがずれていても構わない、すなわちエンドカードの存在。相手のライフ10が射程圏だとしたら、こちらは「まだライフ10切ってないし余裕だろ」と思っている相手の20点のライフを10点だけ削ってやればいいことになります。だから貪る強欲が強いんですね。しかしこの役割を果たすのは何も貪る強欲だけではない。貪る憤怒、影の舞いなどは強欲と同様生物に依存しますが強力なエンドカードです。同様に思考の猛火はレアですが8点一気に削れる(ただし「可能性」なので若干期待値は低いが) そして溶岩の撃ち込み、血の手の炎はズレ幅は小さいですがそもそもドラフトで生物の攻撃が通らない状態なら誰も負けるなどとは考えない。そんな間隙を縫って勝利を狙える可能性があるだけでも、価値を見出せると思います。
なんだか赤黒総論どころか「ドラフトにおける本体火力総論」になった気がしますが、とりあえず最後に決め打ちについてコメントして締めくくりたいと思います。
ドラフトにおいて、それが本来的な意味での決め打ちならば最低の行為ではないでしょうか。それはカードプールの濃さ、他者のピックといったドラフトの戦術的な要素を全否定しているわけで。しかし南の樹の木霊と貪る強欲の二択で後者を取ったとしても、それは決め打ちとは一概には言えないはずです。単に貪る強欲の方が点数が高いのかもしれないし、あるいはこの環境において赤黒をやる限り負ける気がしない、とそう思っているのかもしれない。勝率が高いやり方を取っているとするならば・・・あるいは、決め打ちに近くなるとしても仕方のないことではないでしょうか(いや、仕方なくないだろ
なお自分でもよくわかってないピックを推敲とかせず根拠づけしようという無謀な試みですので矛盾とかツッコミとかはスルーします。
→各論へ続く・・・?
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